海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第3章 新しい旅
「うん、おかわりお願いしようと思って。」
ナミは少しジョッキを持ち上げる。
「お任せを。」
サンジはジョッキを受け取って、歩き出す。ナミもその後を追って歩き出した。
キッチンに着くと、サンジはワインを取り出し、ナミは席についた。
「マリィってトラ男くんのどこが好きになったのかしらね…」
ナミがおもむろに口を開く。
「ナミさん?」
「トラ男くんの魅力はよくわかんないけど…」
「多分、だけど。どこが好き、とかないんじゃないかな」
ワインをグラスに注ぎながら話すサンジ。
「サンジくんは、そんな人に出会ったことがあるの?」
「俺にとってはナミさんとロビンちゃんだよ」
「そういうのは1人なのよ?」
「でもサンジくんらしい」と笑うナミ。
サンジは自分のグラスにもワインを注いでから椅子に座って、ナミと向かい合う形になる。
「ナミさん」
「ん?」
今度はサンジが話しかける。
「明日、まだこの島にいるよね?」
「ええ、出航は明日の夕方だから」
「じゃあ明日さ、マリィちゃんを買い物にでも連れて行ってあげてくれる?」
「え?なんで?」
「多分、彼女にとって初めてできた女友達がナミさんとロビンちゃんだから。それにローと行くなら、しばらく女の子と会うことがないと思うから、だよ。」
サンジは、よく女の子のことを見てる。心情を察するのが上手いし、心遣いもできる。そういう所が彼の良いところで、すごいところだ、とナミは思った。
「わかったわ。」
ナミは承諾して、ワインを口に含んだ。
明日は楽しい一日になりそうだ、と思いながら。
マリィside
起きると、驚いた。だって、私が寝ていたのは椅子だったのに、ナミさんのベットで一緒に寝ていたから。
目が覚めるなり飛び起きて、ベットから降りた。もうひとつのベットはもぬけの殻で、私がいたベットにはナミさんがいる。きっと、ロビンさんは日付が変わる前に寝ていたし、もう起きているのだろう。私は、ナミさんに布団をかけ直してから部屋を出た。
部屋を出ると、甲板にローの姿を見つけて階段を降りようとするが、もうひとつの人影を見つけて、立ち止まる。
「ロビンさん…?」
ローの側にはロビンさんがいた。
2人とも立って、ロビンさんは時折笑って、話をしていた。
なぜだか胸がチクリと痛んだ。