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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第3章 新しい旅


数分前ローside
早朝、甲板で寝ていた俺はニコ屋に起こされ、マリィのことを話していた。
「ねぇ、だからトラ男くん。今日一日、マリィを借りてもいいかしら?」
ニコ屋によると、昨日ナミ屋に誘われたからナミ屋、ニコ屋、マリィの3人で街に行きたいらしい。
「…わかった。だが、日暮れ前には連れて帰れ。」
俺は「絶対に、だ」と念を押す。
「ふふっ…過保護なんだから…」
俺も、本当はこれからあまり接することが出来ない同性と、息抜きでもしてほしいと思っていた。だから承諾した。この機会に、思い切り楽しんで欲しいと思った。
「サンジはもう起きてるかしら」
ニコ屋は話が済んだと見ると、そう呟きながら背を向けた。その背中に、最後に言葉を投げかけた。
「あいつを…マリィを笑わせてやってくれ」
するとニコ屋は振り向き、笑顔で言った。
「任せてちょうだい」
そう言うと、再び歩き出した。

朝食の時間。少し、マリィの様子が変だった。どこか上の空で、誰かが話しかけても反応が遅い。人と話している時も、笑ってはいるがまるで作ったような笑顔に見えて、朝食中、彼女の様子を見ていた。しかし、マリィはそれに気づくと顔を俯かせた。そして、いつもよりのろのろと朝食を口に運ぶ。結局マリィは朝食の時間、いつもの半分、すなわち1人前しか食べなかった。
まぁ、それが普通なんだが。それでも俺としては、いつものあいつを知っているから心配でならなかった。

朝食が済み、それぞれの用意が終わった後。
マリィ、ナミ屋、そしてニコ屋が街へと出発する時刻となった。
船中の人間総出で3人の見送りが行われた。
「楽しんで来てくださいね。ヨホホホホホホッ」
「目立つことはすんなよ?まぁ、大丈夫だとは思うがな」
「話聞かせろよー」
「土産頼んだぞ」
「あ!俺、肉!肉!ナミ!肉!」
「はいはい、わかったよ…」
「ナミすわァァん!ロビンちゅわァァん!マリィちゅわァァん!気をつけてね〜!」
「じゃ、行ってきます!」
マリィ達はこちらに向かって手を振る。しかし、やはりマリィの笑顔はいつものように輝いてはいなかった。
「ニコ屋」
「ん?」
俺の声にニコ屋が振り返った。
「…頼んだぞ」
これはもはやニコ屋、ナミ屋の2人に任せるしかなかった。
「ええ」





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