海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第3章 新しい旅
「ん?あれって…」
「噂をすれば、だな」
全員、甲板へ出て、船の下を見下ろす。するとそこには、やはりハートの海賊団のクルー達がいた。
「あっ!船長!やっぱりいたー!」
「キャプテーン!マリィ見つけたんだね!!」
ベポの言葉に、全員がローの隣にたつ私に視線を向ける。
「ほんとだ!」
わーっと、歓声が上がる。
「…黒脚屋に料理の量を増やしてもらえないか、頼んでくる」
ローはそう言って、船の中に入っていった。その後ろ姿を見ていると
「改めて、おめでとう、マリィ。」
「まさかトラ男くんにこんないい相手ができるなんて思いもしなかったわ。」
ナミさんとロビンさんが私の両脇に立つ。
「あんな感じだけど、ほんとは良い人だと思うわ。」
「ええ、幸せにしてもらいなさい!」
バシッと背中を叩かれる。
「まぁ、トラ男の相手は苦労するかもな。愛想悪ぃし、素直じゃねぇし…」
「それでも、マリィさんはトラ男さんを選んだんですから。」
ブルックとウソップも会話に加わる。
「だがあいつはスゥーパァーなハートを持ってるはずだ」
「強いしな。」
「医者だし!」
チョッパーとゾロ、フランキーも、梯子を下ろしながら話す。
この船の人達は、会って、まだ一日も経っていないのに、祝福してくれるし、心配してくれた。私は、こんなにいい人達にばかり巡り会えて本当に幸せだと思う。
「黒脚屋。」
キッチンで包丁を手にしていたサンジは、振り返った。
「なんだ、ロー」
「悪ぃが、うちのクルーの分も頼みてぇんだが」
「ああ、いいぜ。まぁ、時間かかるけどな」
「頼む」
ローは一言残して、部屋を出ようとした
「おい、ロー」
それをサンジが引き止めた。ローは足を止めて、振り返る。
「マリィちゃん…幸せにしてやれよ?」
「言われなくてもそうするつもりだ」
ローは、甲板へ出ていった。
「素直じゃねぇな…あれはマリィちゃんも苦労するな…」
ハートの海賊団のクルー達も加わり、甲板で宴会が開かれた。
「んー!おいひーぃ!!」
「ほんと、随分食うなぁ…」
「これ、ルフィといい勝負なんじゃねぇの?」
やはりマリィの食いっぷりに一同、驚きの声をあげた。
「おい、トラ男。」
「なんだ、麦わら屋」
皿洗いを終えたルフィがローに話しかけた。
「トラ男とマリィは、けっこん、したのか?」
「は?」
