海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第3章 新しい旅
「だから俺と、お前の家族を助けに行けばいいじゃねぇか」
「…ローは…ローは、それでいいの?他にやりたいことがあるんでしょ?」
「ああ。だが、俺の目的は1つじゃねぇ。その中の1つが、お前が幸せでいることだ。」
「え…?」
「だからお前が俺から離れて幸せじゃねぇってんなら、俺はお前を離さねぇよ。まぁ、お前が俺といたくないなら俺はすぐにこの島を出るが。」
「そんなわけない…!」
「じゃあ…俺と行くか?」
ローが手を差し出す。
ローがそれを許してくれるなら…私はそれを望みたい。
この手を…とってもいいでしょ?
差し出された手に、自分の手を重ねる。
「ありがとう、ロー。」
「ああ」
ローは私の手をぐっと引き、私はローの腕の中にすっぽりと収まった。ローの匂いがする。
これから、この人とずっと一緒にいられるんだ…
「私、欲張りすぎじゃないかな?」
「それは俺も同じだ」
なんて幸せ。
1人の人間と、ずっと一緒にいられる。
それだけで、こんなに幸福で、胸がいっぱいなる。
「オイオイ、おめェら人前で随分見せつけてくれるじゃァねェか」
フランキーの声で、今の状況を思い出す。
「うぁ、ごめん」
急いでローから離れる。
「ロボ屋…」
「おぅ、水差して悪ぃな。ちょっとテーブル見てみろ」
「え…?」
テーブルを見ると…
「えーっ…」
テーブルの上には、空の皿がいくつもならんでるだけ。要するに…
「食べ物が…なくなってる…」
「おい、ルフィ!!レディ達の分がなくなっちまったじゃねぇか!!」
サンジが持っていたお盆でルフィを殴る。
「ルフィ!私達はいいとして、マリィのは残しときなさいって何度も言ったでしょうが!」
「うぅ…だってよぉー」
「だっても何もないの!」
「まぁ、仕方ないよな」
「ルフィだし、な」
「諦めてる感がすごい…」
「ちょっと待っててね、もう1回作ってくるから!おい、ルフィ!お前は皿洗いでもしてろ!」
「へーい」
サンジとルフィがキッチンへ消えていく。
「なんか申し訳ないな…」
「いや、あれはあいつが悪い。すまねぇな、2人とも。」
「いや、俺はかまわねぇ」
「あれ?そういえばロー。クルーたちは?船はどこにあるの?」
「置いてきた。俺は能力でこの島に来たからな」
「え?大丈夫なの?今頃探してるんじゃないの?」
「…かもな」
その時。
「麦わらー!」
