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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第3章 新しい旅


「別にキザなことなんざしてねぇだろ」
ローが眉根に皺を寄せて反論する。
「でも、助けたんでしょ?」
「当たり前だ。俺はこいつに惚れてんだから」
「だから、そういうのがキザだって言ってんでしょ!」
「こいつはこれだから…」
「ていうか、お前らやっぱりそういう関係だったのか」
「いや、ついさっきなったばっかり。」
そういう関係“だった”じゃなくて、そういう関係に“なった”の方が正しい。
「まじか…」
「あれ?」
突如、ブルックが声を上げる。
「ん?なに?」
「マリィさんも、トラ男さんも、想いが通じたわけですけど、結局、どうするんです?」
「どうするってなにがだよ?」
ウソップが疑問を口にする。
「マリィさんは、1人で家族を助けるつもりなんですよね?でも、想いが通じた今は一緒にいたいと少なからず思うはずです。どうするんですか?」
そう、これだ。私がさっきから考えていたこと。この問題を解決しないことにはなにも始まらない。
私がローの船を出たときは、まだ想いが通じていなくて、いわば片思いの状態だったから彼から離れるという選択肢を視野に入れることができた。
それも心苦しいことだったけど、ローの気持ちを知らなかったから耐えることができた。

しかし、今は違う。

お互い気持ちを知っていて、通じ合っていて、もはやなくてはならない存在になっている。
少なくとも私にとって、ローがいない未来なんて考えられないほどに。
今、私にある選択肢の片方は、家族を助けてローとの未来を諦める。
もうひとつは、ローと一緒にいて、家族を見捨てるか。
家族を見捨てる。……そんな選択肢が頭に浮かぶなんて。思いもしなかった。
家族の存在と、ローの存在。
それを天秤にかけるなんてことはできない。でも、家族は、助けなきゃ死んでしまうかもしれない。
私が助けようとしたって無理かもしれないけど、行動を起こしてみないことには分からない。
家族が殺されてしまうのは1ヶ月先かもしれないし、明日かもしれない。
家族は生きるか死ぬかの瀬戸際。
でもローは、私がいなくなっても死んだりしない。むしろ私がいない方がローに迷惑をかけることはない。それなら、
「私、家族を助ける。」
やっぱり心は変わらない。

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