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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第3章 新しい旅


唇からその感触がなくなったと同時に、頬に添えられていた両手も離れる。少し驚いて、顔を上げる。
「構わねぇだろ?」
そこには不敵に笑うローがいた。瞳の奥には妖麗な光が見える。その光が、ローをキスをされる前とは全く別人に見せる。それでも、やっぱり笑い方や話し方、少しぶっきらぼうな性格は私がよく知ってる大好きなローだった。
「うん」
私は頷いて、立ち上がった。
「そろそろみんなのところに行こう?待たせちゃってると思うし。」
「そうだな」
ローも頷いて、立ち上がる。
ローが先に歩き出す。そして、彼は私の横を通り過ぎる時に自然な動作で私の手をとった。少しだけ驚いたけど、それでもやっぱり嬉しくて、その手を握り返した。

「まだかー?もう俺我慢できねぇ!」
ルフィが耐えかねて、部屋から出て2人を呼んでこようとする。
「ちょ、ちょっと待ってルフィ!!」
立ち上がったルフィにナミが呼びかける。
「2人は今大事なこと話してるの!多分!だから邪魔しちゃだめだってさっきも言ったでしょ?」
「だって俺腹減ってんだよー!トラ男とマリィなにしてんだ?」
「あんたにはきっと当分分かんないこと話してるのよ」
「なんだよそれ。教えろよ!」
「ほんと精神年齢低いな…お前」
「待たせたな」
騒がしい部屋に低い声が響いた。
「うっし!じゃあもう食うぞ!!」
「いっただっきまーす!」と、ルフィが勢いよく食べ出す。
「ほんとにごめん。待たせちゃって。」
マリィは、ペコリと頭を下げる。
その時ローの背がまるで引っ張られたかのように少し曲がったことに気付いた者が数人いた。
1人は、あえて口に出さず、「ふふっ」と笑い、
1人は、「上手くいったか」と安堵の息をこぼす。
そしてもう1人は…
「おいトラ男、それ…」
その剣士はそれを口にし、その手を指さした。まだ手を繋いでいたことに気付いたマリィは手をパッと離す。それを名残惜しそうにしているローと少し頬に赤みがさしたマリィを見て、思わず一同、笑みがこぼれる。ひたすら料理を貪っている麦わら帽子の男以外は。
「まぁ、なんにしろ、よかったじゃねぇか。マリィちゃん、飲み物は何がいい?」
サンジが話を切り替え、食事の方向へ持っていく。
「お茶で。ありがとう」
「座って待っててねー」
サンジがまたもやキッチンに姿を消す。
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