• テキストサイズ

海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第3章 新しい旅


「で、泣いてたんだ?」
「うん…」
私は今、キッチンで金髪の男の人…サンジと向かい合って座り、事情を説明していた。
一段落ついたところで、サンジが淹れてくれたお茶が入ったティーカップに口をつける。そのお茶は温かくて、いい香りがして、ホッとする。心が温かくなっていく。
段々、心が落ち着きはじめていた頃。
「おい、酒くれ」
聞き覚えのある声にドアの方を振り向く。すると、そこには短い緑の髪の左目に傷がある男が立っていた。その男は私を見るなり、目を見開いた。
「お前は…」
だるそうな物言いや、仕草。
間違いない、こいつは…
「あんた、さっき私が逃げたことをあの男に言ったでしょ!!」
私が逃げたことをあの男に伝えたやつだ。そのおかげで私はあいつに捕まってしまった。
「お前、あいつの連れじゃねぇのか?」
「違うの!私は逃げようとしてたの!!」
「やっぱりお前だったか…」
私達が言い合っている間にサンジが呟く。どうやら私の話から、私とこの男が1度会っていることを悟ったらしい。
「つーかお前、なんでこんなとこにいんだ?トラ男に会ってねぇのか?」
「トラ男…?ローのこと?いや、会ったは会ったんだけど…」
思わず語尾を濁す。と、
「まぁ、色々あったんだよ。察しやがれ。」
サンジが助け舟を出してくれた。助かった。私は、サンジの言葉に、頷く。
「へー、で、お前は誰だ?」
全く別の方向に話を持っていかれた。好都合ではあるが、切り替えが早すぎるといえばそうだ。
「私はマリィ。あんたは?」
「ゾロ」
そして、私はゾロが言ったことに違和感を感じていた。
「なんで私がローの関係者だってわかったの?」
私がローと面識があることを言った覚えは無いし、ゾロが私の姿を見たのはあの男といたときだけだ。
「ああ、会ったんだよ。あいつに。それで、藍色の髪の女知らないかって言われたからお前が行った方を教えた」
それもあんたか…
「あ、ありがと…」
とりあえずお礼を言っておく。そして、窓の外を見る。すでに陽は落ちていた。
「もうこんな時間!?ごめん、長居して。そろそろ帰らな…」
…帰る?どこへ?今の私に帰る場所なんてないはずでしょ?
「…行かなきゃ。」
「いや、夕飯くらい食べていってくれ。大したものは出せねぇが…」
「いいの?」
「いいだろ、多い方が楽しい…ってあいつは言うだろうしな」
「あいつ…?」



/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp