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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第2章 次の島まで


ローside
『私達、そんなんじゃないよね』
なぜ、あんな言葉に心が動いたのか。夕食を食べ終え、ベットに寝転んで天井を見上げて考える。…いや、答えは分かっていた。認めたくはないが、明らかにマリィの発した言葉だったからだ。あんなガキにここまで感情を左右されるなんて思ってもみなかった。なんなんだ、あいつは。
ソファで静かに寝息をたてているマリィを見やる。
外見はいたって普通だ。ほかの人間より、容姿端麗なことと、今は閉じられている瞳以外は。まさか、あいつの目が原因か?などと、都合の良い言い訳を考えてみる。だが、目が原因、という可能性は薄い。あいつがそんなことを意図的にするとは思えない。
いくら考えても、相応しい答えが思い浮かばなかった。しかし、どうせ次の島に着けば、あいつはこの船から降りるし、きっとこの先会うことは二度とないだろう。だから答えが出なくても特に困ることはない。ない…はずだ。…なんだ?この何か引っかかるものは。俺は次の島について欲しくないのか?いや、そんなことはないだろう。島に着けば、あいつがいなくなってこんな小さなことで悩まずにすむ。
…だが、俺はこの悩む時間を嫌だと感じているわけではない…この時間だけじゃない。さっきの甲板であいつと話した時も、あいつの大食いを見てる時も、本を読む姿を見ている時さえも、嫌だとは思わなかった。なぜだ?人間と過ごしていて、こんな気分になったのは初めて…いや、コラさん以来か。だが、何か違う。コラさんの時より、悩んでしまう。何かが引っかかる。なんなんだ?これは?……いや、考えるだけ無駄なのかもしれない。そう割り切って、悩むことをやめた。そのまま目を閉じる。数分しか経っていないような感覚だったが、目を開けた時にはもう夜明けで、海中にも朝日の光が届いていた。

それから、16日は穏やかに過ぎ去っていった。
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