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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第2章 次の島まで


本に没頭していると、気づいた時には日は暮れていて、辺りは真っ暗になっていた。もう字が読めなくなってしまった。私が本を読んでいる間、ローはずっと隣に座って待っていてくれた。
「ロー?ごめん、待っててもらって。もう中に入ろ…って」
よく見ると、ローは静かに寝息をたてていた。私を待っていてくれる間に寝てしまったようだ。せっかくなので、彼の顔を覗き込んでみる。暗くてよく見えないけど、ローが眉間にしわをよせて眠っていたことだけは分かった。すごく彼らしいと思う。でも、疲れてしまってるみたいだから申し訳ないとも思う。眠っているところを起こすのも悪いから、誰かが呼びにくるまで起こさないことにした。
「頭…冷やす…」
「ん??」
ローが訳の分からない寝言を言う。初めてローの寝顔を見た時もそうだったけど、普段の彼からは想像できないような可愛いところを今、自分だけが目にしている。そう考えると、なぜだか胸がいっぱいになる。今までの人生で感じたことのない感覚。この船に乗ってから何度か味わった感覚だった。

「あ!キャプテン!マリィ!ここにいたんだね!あれ?キャプテン寝てんの?」
しばらくすると、ベポが甲板に私達を探して出てきた。
「あ、うん、そうなの。起こしちゃったら悪いし…」
「大丈夫だよ、起こしても。おーい、キャプテン!」
「あっ、ちょっと、ベポ!」
「…あ?」
ローが、寝ぼけまなこでこちらを見る。
「あ、おはよう、ロー。ごめん、起こしちゃって。」
「キャプテン!夕食、夕食!!」
「ああ、今行く。」
ローはゆっくりと立ち上がり、歩き出す。私もそのあとを追い、船の中に入った。

食堂に、ベポとロー、そして私が入った時、その場は突然、静まりかえった。いつもなら私に話しかけてくるみんなも、全然話しかけてこないどころか、私が目を合わせようとしてもそらされてしまう。私達はとりあえず席につき、食事が出されるのを待った。
「あ、あの…船長。」
「なんだ」
クルーの1人が進み出てくる。
「お二人があんな関係だとは知りませんでした…さっきは邪魔してすみませんでしたぁ!!!!」
「「…は?」」
ハモった。
「え?いや。だってさっき…」
この人が言っているのは本棚が倒れた時のことだろうか。
「あれは、私が本棚倒しちゃって、下敷きになりそうになったのをローが助けてくれたの。」
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