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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第2章 次の島まで


マリィside
私も、本棚の処理をするローに駆け寄り、手伝い始める。そこらじゅうに散らばった本を一つ一つ手に取り、傷がついていないか確かめながら拾っていく。本棚には目立った外傷はなかった。それでも、本には時々ページが少し折れてしまったものや、破れてしまったものまであった。申し訳なくて、話すのが少し怖くて、口を開くことができなかった。ローも同様に、話しかけてくることはなかった。
本棚を立て、本を並べ直して一段落ついた時には既に夕方だった。いつの間にか船は海上に出ていて、日が沈みかけ、オレンジ色に染まっている海をゆっくりと進んでいく。
ローが甲板へ出たので、私も後を追う。
彼は甲板へ出ると、私と彼が初めて出会った時、彼がいた場所に腰掛けた。私は少し距離をあけて座る。
「なぜ、ついて来る?」
「え、あの、ごめんなさい」
私は彼が迷惑だと思っていると感じて、すぐに立ち上がろうとする。
「別についてくんなってわけじゃねぇ」
私はその言葉を聞いて、もう一度腰をおろす。
「ただ、お前が来たら、俺が来た意味がねぇ…」
「?」
私はローの言っていることの意味が分からず、首を傾げる。しかし、ローはそれ以上何も話そうとしなかったので私も聞かないことにした。
「えーっと、ごめんなさい。ほんとに。」
「それはもう気にしなくていい。それより、お前が読もうとしてた本ってなんだ?」
予想外の質問に、少し間があいてしまう。
「あ、えっとね、『海とソラ』って物語。」
「ああ、あれか。」
「うん、まさかローの部屋に物語の本があるなんて思ってもみなかった。」
「そうか」
それだけ言うと、ローは船に入っていく。気に触ることを言ってしまったかと、心配になった頃、ローは本を2冊手に持ち、戻ってきた。そのうち、私に差し出した1冊は、『海とソラ』。もう1冊には『空とウミ』と書いてある。
「空とウミ…?」
「その本の続編だ。読んでみれば分かる。」
「わかった。」
私はまず、最初に読もうと思っていた本を開いてみた。『海とソラ』…この話はソラという不思議な力を持った少女が主人公の物語で、ソラはその力故に住んでいた村の人々に気味悪がられた。優しくしてくれた育ての親までもが傷つけられるのが我慢出来ず、海へ出て、海賊になる。仲間を集めて、様々なことに立ち向かう、冒険の物語だ。私は、この本の主人公…
ソラに自分を重ねた。
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