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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第2章 次の島まで


その次の日、ローの部屋で目覚め、食堂で朝食を食べた後、またもや何もすることがなくなっていた。しかし、今日はある事を考えていた。私は字が読める。よって、本が読める。そして、ローの部屋には大きな本棚があり、その中には本がぎっしりと詰まっていた。この状況ですることはひとつ。
「ねぇ、ロー。本読んでもいい?」
ローは机に向かい医学書を読んでいたけど、こちらに振り返り、眼鏡を外して私を見る。
「お前、字が読めるのか?」
「当たりでしょ。失礼ね。で、いいの?」
「好きにしろ。」
ローは答えをよこすと、再び眼鏡をかけて机に向かった。
私はそれを見届けると、本棚へかけよった。私は、どんな本があるのか知らなかったため、本棚の端から端まで見てみる。思った通り、難しい文字の医学書が多く並んでいた。しかしそれ以外の物語や航海術の本などもあった。私は時間をかけてゆっくりと本を選んだ。そして、本棚の少し上の方にある本に決めた。その本がある位置は本の題名が辛うじて見えるくらいの高さで、手を伸ばしても届きそうになかった。それでも、1度、背伸びをして、手を伸ばしてみる。案の定、届かなかった。辺りを見回してみても、踏み台らしきものは見当たらない。考えてみれば当たり前だった。ローはあんなに長身なのに踏み台なんて必要とするはずない。それなら、ローに頼んでみるのは?振り返り、ローの様子を伺う。ローは、本を読むのに熱中しているようで、全く動かないし、動いても本のページをめくる時くらいだ。こちらの様子も全く気にしていない。邪魔をするのは悪いので、頼む、という選択肢は却下だ。それなら、ジャンプして取るのは?それならきっとローの邪魔にはならないだろうし、恐らく、本も取れる。考えをまとめると、私は全力でジャンプした。そして、本を手につかむ。
「やった…」
が、その瞬間、まずいと思った。本を掴んだ手が本棚に引っかかってしまい、本棚がしだいに傾いてくる。そこからはスローモーションのように時間が進んだ。
「うわっ、ロー!!!」
思わず、こちらに気づかない人の名前を叫ぶ。
本棚が倒れてくるという事実に気付いた時、咄嗟に体は動いていたが、間に合わない。
ローはこちらを振り返って目を見開く。
「お前っ、なにしてっ!!」
ローはすぐに椅子から立ち上がりこちらに駆け寄り、本棚の下敷きになりそうになっている私に手を伸ばした…
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