海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第5章 情報収拾
「当たり前だ」
ローは、私と繋いだ手を強く握った。
「え?どういうこと?」
「お前は優しい…それに、今まで色々あっただろ。それを考えれば、恵まれて当たり前の人間だ」
「…あり、がと」
優しくなんかない。
でも、ローに言ってもらえると、どうしようもなく嬉しくなってしまう。
でもこんな幸せな時間が続いていると、忘れてしまいそうになる。
今、妹の運命を握っているのは私なのだと。
「1週間…か」
「何か言ったか?」
「あ、ううん、なんにも言ってないよ」
1週間以内に、決めないといけない。
きっと少し前の私なら、自己犠牲をものともしなかった。
でも今は…
右手に、愛しい人の…ローの温もりを確認する。
この身は、私一人のものだけじゃないと、分かっている。
前みたいな浅はかな私じゃない。
私がいなくなれば、悲しんでくれる人がいる。
それはとても嬉しい。でも、だからこそ。
簡単には決められなかった。