海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第5章 情報収拾
「家族を助ける…って?」
「そうです。家族が大切で、生きててほしい。でも、ローとも一緒にいたいと…思ってしまったんです」
だから悩んだ。けど、ナミさんがあの時、私の欲しかった答えを導き出してくれた。
「どちらもだなんて、我儘だって思うかもしれません。確かにそうだから、反論はできません。でも、それでもいいんです」
「…」
「誰がなんと言おうと、助けるって決めたから」
迷って、悩んで、泣いて、やっと出した答えだから。
「…はぁ、わかったよ。トラファルガー、こっちの戦力はどれくらいなんだい?」
「…俺と、マリィ、あとうちのクルー20人だ」
「あんたたち、それで500の海兵に勝てるとでも思ってんのかい?」
「…わからない、けど、勝ってみせます。みんな、強いし…」
きっと、勝てる……
不安が無いわけじゃ、ないけど。
「あんたらの戦力に、100人追加しときな」
「は…?」
「あんたらの味方をすることにしたよ。あたしは顔も広いし情報も持ってる。兵力以上に役に立つと思うよ」
「ほんとですか!?」
「…信用してもいいのか」
ローは少し警戒してる。
「ああ、もちろん。この海一番の情報屋、マヤ様に二言はないよ」
「マヤさんっていうんですか」
「今更だな…まあ、そうだ。改めてよろしく、マリィ、トラファルガー」
「…ああ、よろしく、マヤ屋」
「出発はいつの予定だ?」
「十日後だ」
「ログがたまってからか。それで、こっからパラーダー島までは4日だから、あんたの家族が到着してから1日経った日ってことか」
「道中に助け出すにも間に合わねェし、島でやるしかなさそうだ」
「そうだね」
時計を見ると、もう夜中だった。
「じゃあ、明日また来ます」
「ああ、明日の夜は貸切だね」
「わざわざすみません…」
「いいんだよ、気にしなくって。言い出したのはあたしだしね」
マヤさんは綺麗に笑った。
マヤさん、綺麗だな…
かっこいいし、ほんとに、素敵な人だ。
そんな人が味方になってくれるなんて…
「ねぇ、ロー。私、恵まれすぎてない?」
ホテルへの道すがら、そんなことを言った。
「ローほどかっこいい人と恋人になれて、いい仲間もいて、いろんな人に助けて貰って、今回はマヤさんみたいに素敵な人が味方してくれるなんて…」