海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第5章 情報収拾
毎日、ローやマヤさんと準備を進めていると、出発が目前に迫る。
気づけば、出発する前日になっていた。
未だに私は決められていない。
出発前夜、ベットの中で悶々と考える。
私が1人で家族を助けに行こうとした時は、妹1人でさえ、助けられるという確証はなかった。けど…今回は、それがある。
だから、前ほど無謀じゃない。
だけど…
隣で本を読むローを見る。
…ああ…決められない…
「ねえ、ロー」
「なんだ?」
ローは視線をこちらに向ける。
「私がいなくなったら…ローは困る?」
分かってる、この質問の答えは。
それでも…聞いてしまったのは、なんでなんだろう。
私がこの質問をすると、ローは本をベット脇のテーブルに置いた。
そして、私を抱きしめた。
「…当たり前だ」
「…そっか」
なんでだろう。すごく嬉しいのに…すごく、悲しくなる。
「また…いなくなるつもりか?」
ローが、私の顎を指先ですくい上げる。
「…違うよ」
胸が苦しい。
「そうか」
ローの、安堵の声が聞こえたと思うと、唇を奪われる。
舌が入り込み、歯をなぞり、私の舌を絡めとる。
私は、迷ってる。
迷ってるけど…
「ん…っ…」
深い、深いキス。
それはまるで、私を繋ぎ止めるようで…
本当は…知ってるの?
私が心のどこかで、もう結論を出してしまっていることを。
「っ…は」
ローは顔に、首筋に、胸元に、優しくキスを落とす。
「…大丈夫か?」
「うん…」
首筋に舌の感触を感じた時、少しの痛みを感じた。
その感触が心地よくて、声が漏れた。
「んん…っ…んぅ…」
前と同じく、とても優しくて…
大事にしてくれてるとわかって…
すごく、愛しく感じる。
キスも、身体を撫でてくれる手も、何もかも。
これが、最後にはしない。
絶対に…この人の腕の中に戻ってくる。
私はその明け方、置き手紙を残して、海軍基地へと向かった。