海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第5章 情報収拾
「そう、海軍。海軍将校だけが知ってる、トップシークレットだよ。それを持ってきてくれたら、あんたの欲しがってる情報をやるよ」
「…」
「これは、あんたにしかできないことだ。だから頼んでる」
「おい、テメェ、ふざけるのもいい加減に…」
「やる」
「…は!?」
「本当かい?」
「それで情報をくれると約束してください。それなら行きます」
「ああ、約束しよう」
「おい、マリィ。俺は反対だ」
「ロー…」
「昨日あんなことがあったばっかりだ。一人で行かせる訳にはいかねェ」
「…」
それも一理ある。だけど…
「だいたいお前、そうじゃなくても海軍に狙われてるだろ…面は割れてるんじゃねェのか?」
ローが心配そうにこちらを見る。
「大丈夫だよ、ロー」
今更、揺るがないから。
例えそれが、どんなに危険かわかってることでも。
「行きます。私は、何の情報を持ち帰ればいいんですか?」
「それはこれから説明しよう。あんたがしなければならないことも、そのためにどうすればいいのかも全て提示してあげるよ。あたしも、この情報は喉から手が出る程欲しかったからね」
私達は話を聞くと、帰って準備を整えた。
私が持ち帰るのは、この島の海軍がすぐに動員できる海兵の数、及び武器を含めた戦力。そして、それを最も迅速に動かす方法。
明後日の正午、この島に青雉が来る。
聖目族のことについて調べるために派遣されたらしい。
その時、戦力について話すはずだから、それを盗聴し、情報を手に入れる。
この島の将校と青雉が話すであろう場所には検討がついているらしいから、明日、そこに盗聴器を設置しに行くこと。
それが、私の任務だ。
私は翌日、海兵の制服を着て、海軍支部を遠巻きに見つめる。
後ろにはローと、私服姿の相変わらず露出の多い女性が立っている。
「おい…」
「なに、ロー」
「やっぱり…俺が行く」
「だめだよ、ローは身長高いし、目立っちゃう。それに、女の人の方が、万が一のとき、どうにかなっちゃうかもしれないでしょ?」
なんて、冗談めかして言ってみる。
それでもローは笑ってくれなかったから、真面目に言った。
「大丈夫。私、前より随分…強くなったでしょ?」
それでも心配だ、とその目が訴える。
「だから、信じてよ」
絶対、戻ってくるから。