海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第5章 情報収拾
「カクテルでいいかしらね?」
「ええっと…はい、お願いします…」
私達は、ボス、と呼ばれる、ここのマスターに会いに来た。
はず…なんだけどな。
私達の目の前には、すごく綺麗な女の人が立っていた。
スラッと背が高くて、露出の多いドレスを着ている。
出されたカクテルを少し飲む。
…美味しい。
「おい、ここのマスターを出せ。そいつに話がある」
「ここのマスター?」
女の人が首を傾げると、長い紅色の髪が揺れる。
「それは私のことだね…」
「は…?」
「え…あなたが…?」
こんなに綺麗な人…しかも、女の人だったなんて…
「てっきり、男の人だと…」
「そうかい」
その人は少し笑うと、こちらに目を向けた。
「で、用件は?海賊、トラファルガー・ローに…聖目族の瑠璃姫」
「私達のこと、知っているんですか?」
「当たり前だよ。あんた達はあたしの正体を知っててここに来たんだろ?」
「いや…知りません」
すると、その人は声を上げて笑った。
「ふははっ、あんた正直だね…素直な子は嫌いじゃないよ」
「ありがとう、ございます…?あ、えっと、私はユーリアマリィです!今日は、聞きたいことがあって来たんです…」
「さしずめ、聖目族のことだろ?」
「っ…はい、何か知っているんですか?」
「そうだね…そりゃ、知ってるさ。けど…」
「けど、なんだ?」
「タダで教える訳にはいかないね。相応の対価を用意してもらおうか」
「…タダでもらえるとは、思ってません」
「ほぅ…?」
きっとそれだけ重要な情報。
でも、それなら尚更、手に入れないといけない…!
「何をすればいいですか?あなたが欲しいものは、なんですか?」
何をしてでも、手に入れないといけない。
「…なぜそこまで言える?」
「どういう、ことですか?」
「…いや、なんでもないよ」
今一瞬、この人の表情に影が差した気がしたのは、気のせいなのだろうか。
「そうだね…あたしが欲しいものは…」
どんなことでも、私に出来ることなら、やってみせる…
とんなものでも、私が出せるものなら、何でもあげる。
「あたしが要求するのは、情報、だよ」
「…情、報?」
「そう、あんたにとってきて欲しい情報があってね」
「それは、どこに行けばいいの?」
「海軍だ」
海軍…?