海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第5章 情報収拾
「こんなとこでいいのか?」
「いいんだよ、私、ずっと来たかったんだから」
今私の目の前にあるのは、大量の本。
そう、ここは本屋だ。
ここはこの島でも最大級の品揃えを誇るらしい。
「こんなに沢山…初めて見たよ…」
「欲しいのがあったら言え」
ローは私の頭にポンと手を乗せた後、少し離れて私が本を見ている後ろから、見守ってくれていた。
「恋愛小説も…歴史小説も…図鑑も…すごい、こんなにいろんな種類があるなんて…」
物語から専門書まで、幅広い分野の本があって、見ているのが本当に楽しい。
いろんな本に目移りしてしまって、欲しい本が決められない。
「医学書は船にたくさんあるし…恋愛小説とか気になるなあ…あ、でも航海術の本とかもいいかも…」
しかし、ある本が目に止まった。
気づけば、私はその本を持ってローに駆け寄っていた。
「これ…!これが欲しいの」
「わかった。一冊だけでいいのか?」
「うん」
本当を言えば、気になる本はたくさんある。
でも本当に、心から欲しいと願う一冊は、この本だけ。
店を出る時、荷物はローが持ってくれた。
その時、ローが持っていた本は二冊。
「ローは何を買ったの?」
「さあな」
「えー、教えてよー」
「そのうち分かる」
「そのうちっていつよ…別に、そーいう感じの本でも私は気にしないけど?」
「…おい、今何考えた?」
「え、だから、そーいう、男の子が好きな感じのやつでも私はきにしないよーって」
「そういうんじゃねェってことだけは断言する…」
「面白くないなあ…」
「だいたい、俺はお前以外の女に興味ねェ」
「ふふ…ありがと」
突然のデレに口元が緩むけど、それを隠すためにお礼を言った。
「おい、ニヤけてんじゃねェ」
「ローもいっつもニヤニヤしてるでしょ」
「…気のせいだ」
「自覚あったの?」
「ねェっつってんだろ」
「ふふっ…ごめんって…」
こうして軽口を叩けるのも、すごく楽しい。
こんな時間がずっと続けばいいのに。
ローも、そう思ってたりして…
なーんて、ね…
翌日は、生憎の雨…いや、
幸運にも、かな。
その日の夜。
「こんばんはー…」
私とローは、あるバーの扉を開いた。
「いらっしゃい、2人か?」
ボス、と呼ばれた情報元に会うために…