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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第2章 次の島まで


マリィside
「ん…」
私は息苦しさに目を覚ます。
それは自分の体がうつ伏せだからということに気づき、起き上がり、ソファの端に座る。
窓の外を見ると、まだ暗い海底に闇広がっていた。
窓の近くに位置する、ベットを見てみるとローが横たわっていた。私は興味本意で彼が寝ているベットへ近寄る。
すると、昼間の様子からは想像ができないような安らかな顔をして眠っているローが目に映る。
…かわいい
なんとなく彼の髪に手をのばしてみる。
昼間とは違い、帽子に隠れていない髪の毛はボサボサで帽子をかぶっているときとは少し違う印象だ。
パシッ
私の手は彼に触れること叶わず、彼の手に捕えられた。
驚いて彼の顔を見る。先程まで閉じていたはずの黒い瞳がしっかりと私を捉えていた。
「…何か用か」
ローが起き上がって尋ねた。
「いや、ちょっと目が覚めて。」
私は事実を淡々と告げた。
しばらくの間、ローと私は互いの真意を探るようにじっと見つめ合っていたが先にローが目をそらし、私の手を離した。
「俺もお前のおかげで眠りを妨げられたからな。昨日言ったことを聞かせてもらう。」
「ああ…何?」
『昨日言ったこと』とは、この部屋の前で話そうとしてやめたことだろう。
私はベットの端に腰掛けた。
少し覚悟を決めて、ローに向き直る。
「さっき聞こうとしていたことは」
私と彼は再び見つめ合う。
「聖目族のもつチカラ…について、だ。」
聖目族のチカラ…
聖目族とは数ある強力な力を持つ種族の中でも最も強い力を持つ種族の一つだ。聖目族の者は皆美しい、宝石のような瞳をもって生まれる。瞳の色は各々違うが、どのような色でも確実に常人の瞳以上の輝きを放つ。そしてその瞳は美しいのみならず、強力な力を発揮する動力源となる。
聖目族の者は美しい瞳と共に強力な力を持って生を受ける。そのためその種族の総人口は決して多くはない。
かつては現在より栄えた聖目族も今では、もはや空島に住んでいるマリィの家族とおそらく地上に住んでいると伝えられてきた一族のみだ。しかし、数は少なくとも力はとてつもなく強力なものだった。
その力は時には自然を操り、時には人を操り、虜にし、時には神仏さえも見方につけ、人類には思いもよらぬほどの力を振るう。そのような強力な力を持った者達の中で普通の聖目族の力の何倍もの力を発揮する者がごく稀にいる。


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