海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第5章 情報収拾
マリィside
「俺は、お前に傷つける術を教える訳じゃねェ。守る術を教えるんだ。だから、力を極力使わずに敵を再起不能にするべきだ。」
なるほど…
つまり、殺し方を教わるわけじゃないってことね。
「その武器の力に合った攻撃の仕方で、攻撃力は格段に上がるはずだ」
確かに前に武器を初めて使った時、一度は敵を倒せたけど、再起不能にはできなかった。それは、攻撃の仕方が間違ってるってことね。
「その武器が出せる力は?」
「えーっと」
適当に薙刀を振ってみる。
「ちょ…っ」
すると海水が渦巻き、浮き上がって竜巻となった。
「あ、こっち来る」
「何してる!?とりあえず元に戻せ!」
もう一振すると、海水が元通りになる。
「なんか、風を動かせるみたい」
「ああ、そうだな…とにかく、突然技を繰り出すのやめろ」
力が『風を動かす』ということが判明したところで、技を考案する。
「多分、風で大勢の人を蹴散らすことが出来ると思う」
「いいと思うが、例えば敵以外を巻き込みたくない時、それだと不便だ。風で人間の急所を突くことは出来るか?」
「多分。あ、あとさっきの竜巻も何か使える気がする」
「ああ…だが、極力使うなよ」
「わかった。そういえば…」
薙刀の、青い石がついている方とは反対側についている刃を指す。
「普通に刃もついてるから、これも使えるよね?」
「それじゃあ、剣術の稽古もしてやる。接近戦の時はそれでも応戦出来るようにな。だが…」
「ん?」
「接近戦はあまりするな。恐らく、風の力を生かせるのは、遠くからの攻撃だ。それに…怪我はさせたくねェ」
確かに、敵との距離がある後衛の方が危険は少ない。そして、私の力が最大限に生かせるというのも事実。でも…
「多分、急所を確実に突くときは近くの方がいいと思うの。それに、言ったでしょ?一緒に戦いたいって。そもそも私の我儘で行くんだから、私が安全なところに居るなんておかしいと思うし。」
だから、頑張るよ。
強くなれるように。
私を愛してくれる人が、いるんだから。
怪我なんかして、心配をかけたりしないように。
「…はぁ……わかった、じゃあ基礎からやるぞ。力の使い方は俺には分からねェから教えてやれねェが、武器の扱い方や急所の狙い方は教えてやれる。」
力を貸してくれる人が、いるんだから。