第2章 貴方が一番 前編※
がくんと膝の力が抜け、崩れ落ちそうになったところを、ジャンに腰を掴まれ、支えられた。
「は、ぁっ、な、で、こんな、こと…っ」
キッと睨み付けたつもりだったが、それが逆にジャンを煽ったようだった。
「なんでって……お前が好きだからに決まってんだろ……」
ジャンの唇が首筋に移動し、下から上へと、焦らすように舐めあげていく。
「ひ、ぁあ…っ、やっ」
「…首、弱いんだな」
ジャンの口元が歪んでいるのを見て、ぞくりと背筋に悪寒が走った。
「も……やめ…っ」
「……なんで?身体はこんなに嬉しそうなのに」
再び首筋を舐められ、ありえない程高い嬌声が上がり、びくんと身体がうねった。
「…エレン……好きだ……」
ぎゅっと、抱き締められながら囁かれたその言葉は、聞いたことのあるものだった。
『エレン……好きだ……』
「…へ……いちょ……」
無意識に、口から溢れた言葉。
…俺は……あの人が……好きなのに。
あの人にしか、触れてほしくないのに。
「……リヴァイ兵長のことか。……心配するな、俺がリヴァイ兵長よりも、深く愛してやるから……」
再び唇を奪われ、されるがままに触れられる。