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斉木空助のψ愛【斉木楠雄のψ難】

第2章 天ψ!科学者との遭遇







「アッハッハ!!そんな訳ないじゃないか!」

「!?」

「君なんて霞むくらいの超能力者を知ってるからね。君をずっと捕まえて実験台にする必要なんてないよ」


何を言ってるんだ、この天才様は……。

超能力者なんて、そんなにポンポンいるものではない筈だ。現に私は自分以外の超能力者を見た事も接触した事もない。
まず見つけられないだろう。
人と違ったモノを持つ者は畏怖され、利用され、排除される。

余程の愚か者でなければ、世に自分の超能力をさらけ出す人間はいない。


「……ホントに、その人は超能力者なんですか?」

「まぁ信じられないよね〜。一応説明してあげるよ。その超能力者は僕の弟、斉木楠雄」

「お、弟さん…!?」


斉木さんから説明を受けた内容を要約してみよう。

斉木さんとは二つ違い、私と同い年の16歳の斉木楠雄くんという男の子。
その超能力は多岐に渡り、念話〈テレパシー〉念力〈サイコキネシス〉瞬間移動、透視、サイコメトリー、そして私と同じ空中浮遊。
その他にも色々制約があるようだが、様々な超能力が扱えるようだ。

……なんというチート。地球を滅ぼさないでいてくれてありがとうと、感謝するレベルだろう。
まだ説明しか受けていないが、斉木さんの弟なら超能力を持っていてもおかしくない気がする。

こんな突飛な嘘をつく理由が思い浮かばないし、とりあえず斉木さんの言う事を信じる事にした。
……空中浮遊が出来るからって騒いでた自分がちょっと恥ずかしい。


「楠雄くんの事は信じますが、どうして私を捕まえたんですか?というかいい加減拘束解いて下さいよ」

「まだダーメ。他に能力があるかも知れないでしょ?
で、捕まえた理由?端的にいうと、楠雄に勝ちたいから協力して欲しいんだ」

「勝つ?楠雄くんに?……いやです私死にたくありません」


もし本当に楠雄くんが最強の超能力者ならば、他の人間なんて吹けば飛ぶような存在だろう。
勝ちたいなんて、そんな冗談は止めてくれ、と思わず眉を潜める。


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