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斉木空助のψ愛【斉木楠雄のψ難】

第2章 天ψ!科学者との遭遇





「んん〜……」


ぼんやりと目を開くと、目の前には見慣れない白い壁。薬品のような匂いもする。
自分の研究室……ではない。だとしたら、ここはどこだ?

手を動かそうとしたが、動かない。
目を動かすと、診察台のような椅子に座らせられて首と腹部、手足を拘束されている。
……これは、ヤバイ展開なんでは?


「あ、起きた?」

「……貴方、誰ですか」


此方を見てニコニコと微笑む金髪の青年。

長い前髪から見える顔の造形は美しく、どことなく中性的な顔立ちだ。俗に言う、イケメンである。
一見して優男っぽい雰囲気だが、人を拘束してニコニコしてる時点で優男ではない事が判明した。

アカデミックマントを着用しているという事は、ケンブリッジ大学の学生だろうか。


「まぁ、まずは自己紹介しようか。僕は斉木空助、ケンブリッジ大」

「さっっ斉木空助!!?あああ、あああの斉木空助さんなんですか!!?」

「ハハッ僕ってば有名人?」

「斉木空助さんと言えば、高校を飛び級してケンブリッジ大学に入学して、特許を取得できる程の様々な発明をなさってる方ですよね!?
うわ〜!嬉しい〜!!まさか実際に会えるなんて!今回の研究論文読みました!!時空間信号処理に基づく電波セキュリティシステムの改善点には脱帽しました!あっ握手してもいいですか!?」

「君、今の状況分かってる?」


あっそうだった。

私捕まってたのか。つい憧れの斉木空助さんに出会えたから興奮してしまった。
ん?なんで斉木さんは、私を捕まえてるんだっけ?


「………も、もしかして、見ました?」

「何を?」

「あのー……アレです。ぶつかった後に……」

「何も見てないかな」

「えっ!!」

「君が意識を失った後、徐々に浮かんできた姿以外は何も見てないよ」

「……、」


やっぱり見られてた……!!

何か言い逃れするべきか……いや、目の前の天才には言い逃れは通用しなさそうだ。

この能力がバレてしまった。きっと彼の研究員に囲まれて、実験体のモルモットのよう扱われるのだろう。
危険な思想を持たないように、研究をする事はもう出来ないだろう。


「あー……もしかして、一生実験体のモルモットみたいな扱いをされて、研究する事も出来ないんじゃないかとか思ってる?」

「……はい」


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