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斉木空助のψ愛【斉木楠雄のψ難】

第5章 キスから始まるψ難


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そう思えば思うほど、斉木さんのシャツを強く握り締めてしまう。

離れたくない、一生このまま私だけを見てくれればいいのに。


「……はぁ……、」


た、溜め息……。もしかして、私の邪な思いが伝わってしまった?
焦りからか、斉木さんを見つめていた目がじんわりと涙で滲んだ。


「、だからそういうの、無意識?計算なの?……せっかく人がここまでで止めてあげようと頑張ってるのに」

「え?ご、ごめんなさい?」

「……分かってないし」


少しムスッとした顔をして、斉木さんは私の元からスッと離れた。

なんだかよく分からないが、斉木さんは私の反応を面白がる時間を終えてくれたようだ。
「本当に好きな人としてください」と言わないで良くなったので、一安心だ。

言ってしまったら、もうこの関係は無くなってしまうのではないかと危惧していたので、心底ホッとした。

……あわよくば、このままズルズルと斉木さんと関わっていきたいと思う私は、小狡い女だ。


カチャリ、


私がそう自嘲していると、何やら首にプラスチックの様な硬質の物が触れた。

ふ、と顔を上げると、それはもうニコニコとした斉木さんが、両手を私の首に回していた。
何やら首の後ろでカチャカチャと音を立てて、何か作業をしている。

何だ、何かを付けられている?

首元を触ってみると、凄く軽いが、フォルム的には首輪のような物が付けられていた。
首輪のような物から、ツルツルとした質感の球体がぶら下がっていた。

球体はかろうじて私からでも見えた。
球体の色は、澄み切った海のような綺麗な薄い青色だった。
……私の目の色と一緒だ。


「コレさぁ、僕じゃないと取れないから、お風呂入る時とか僕に言ってね。まぁ完全防水だから濡れても大丈夫なんだけど」

「……ん?え?あの、コレは一体なんでしょうか……?」


なんか今、僕じゃないと取れないとか不穏なワードを聞いた。
球体の綺麗な色に見惚れてる場合ではなかった。

何だ、この首輪のような物。

まさか、斉木さんの趣味?
……なんか有り得そうで怖い。却下。

それ以外で私の首に付ける理由は……いや、まさか……。そんな、早過ぎる。


「こ、れって」

「察した?そうでーす。君の超能力・空中浮遊の制御装置でーす」

「は、はぁぁああ!??」



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