• テキストサイズ

斉木空助のψ愛【斉木楠雄のψ難】

第5章 キスから始まるψ難



.



「キ、キスをして欲しくないのは……、その、そればかり思い出してしまって、研究の補助に支障が出てしまいそうだったので、」

「……そればかり?」

「ですから!……キスを、した時の事ばかり考えてしまうんです」

「……っ、」


私の言葉を聞いた斉木さんは大きく目を開いたかと思えば、ニコリと綺麗な笑みを浮かべた。

おお、ご機嫌が治ったようだ。
ホッと一安心した私は、緊張がほぐれてへにゃりと笑った。


「あーーもーー……なんなの?煽ってんの?」

「あ、煽る……?」


気に触るような事を言っただろうか?

また機嫌を損なわれたら大変だ。
何かしたなら謝ろうと口を開こうとしたら、斉木さんの顔が近付いてきた。

お互いの唇があと数㎝で触れる、という所でピタリと止まった。

少し早い吐息。仄かに上気した頬。
熱に浮かされたような瞳には、真っ赤な顔をした私が写っていた。

うう……どうしてここで止まるのか……。
一番恥ずかしい距離感だ。


「僕とのキスが嫌なのは、僕とのキスを思い出して、僕の研究の補助が疎かになるからって事だよね」
『僕との』『僕の』強調し過ぎじゃないですか?

「う、……はい」

「じゃあ、もっと僕の事しか考えられないように、もっと回数増やさないとね~」

「……はい。……え゛っ!?いや、そうじゃな、んんっ」


いつもの物凄ーく優しいキスかと思いきや、今日は最初から様子が違う。

私の唇を食むように、感触を確かめるように動いている。
終わりかと思いきや、舌先でツツ……と唇をなぞられて、思わずピクリと肩を震わせた。

なんか、マズくないかこの感じ。
私を抱き締めていた斉木さんの手は、背中やら肩やら色んな所をゆっくり触っていく。
触れられた所がどんどん熱を帯びていく気がする。

ああ、やはりこれはマズい。


「さ、斉木さんっ、やっ、止めて下さい」
グッと距離が近すぎる斉木さんの胸板を押すが、全くビクともしなかった。

「そんな抵抗のされ方されると、余計したくなるから」

「っ!」


うわぁああ!!耳元で囁くのはやめて下さい!!
声が耳に響いて、堪らなくゾクゾクする。声までイケメンとか、反則だ。

熱に浮かされて、頭がボンヤリしてくる。

斉木さんに「この先は本当に好きな人として下さい」と言って、離れなければ。

/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp