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斉木空助のψ愛【斉木楠雄のψ難】

第4章 ψ接近!二人の距離






大体婚約者とも言えど、会って一週間も経ってないような人の膝に乗るのはいかがなものか。

いや!もうやると決めたからにはやるしかない!!


「で、は、失礼します」

「ハハッ緊張し過ぎじゃない?」

「き、きき気のせいです」


意を決して、斉木さんの膝へと座る。

身長があるとはいえ、細身の斉木さんに私が乗ってしまった。
しかし想像とは違って、私の身体をいとも簡単に受け入れる安定感があった。

なんだか爽やかないい香りがする。香水程キツくはない、シャンプーが柔軟剤の匂いだ。
うう……近くで見ると、改めてイケメンキラキラオーラにやられる……。


「うーん、想像以上にズッシリくるね」

「……!!や、やっぱり降ります」

「冗談冗談、骨と筋肉と脂肪、内臓があるんだから“羽のように軽い”なんて事は無いよ」

「もうちょっと言葉をオブラートに包んだらいかがですか……」

「研究者にそんなの求めないでよ。そんな事より、休憩しな」

「あ、はい」


そうそう、私は休憩しようとしてたんだ。
斉木さんにもたれかかって、身体を休めよう……。

…………うん、出来ません。
背筋をピーンと伸ばして、気まずそうに座ってますよ。斉木さんはこの様子を見てニヤニヤしている。
居心地が悪すぎて倒れそうだ。何か話題を提供しよう。


「そ、そういえば今度は何を開発しようとしてるんですか?」

「あー、せっかく君が来たから、人体のみで飛行出来るやつを作ってみようかな」

「私が言うのも難ですが、人類の夢ですね。フライボード(水圧を利用して海上で空を飛べるマリンスポーツ)みたいなやつですか?中々バランス調整が難しそうです」

「そーだね、だから色々手伝ってね」

「勿論です」


ああ、何だか話していたらワクワクしてきた。疲れていた身体が嘘のようにシャンとする。
一人ではとても出来なかった事だが、斉木さんと一緒なら出来る確信が持てる。
人と一緒に同じ目標に向かうとは、こんなにも楽しいものなのか。


「斉木さんと一緒に共同開発出来るなんて感激です」

「僕が憧れだもんね」

「ええ!特にその何事も諦めない努力家な所をリスペクトしてます!」

「……え?」

「え?」


なんだ、何かおかしい事を言っただろうか?

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