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【忍たま乱太郎】かぐや姫

第8章 作戦開始


小平太と長次が去るのを見送り、土井は神室に目を向ける。
一進一退の攻防、桧山と互角にやり合う神室も実力者のようだ。自分一人では勝てたか分からない。

桧山が苦無で切りつける、神室がそれをかわしカウンター。桧山は脇差しを抜き受け止める。それを押し返すと、その場で神室に足払いをかける。バランスを崩す神室。苦無を投げつけるが、桧山は脇差しでそれを払う。

「カムロォォォ……!!」

桧山が刃を振り下ろす。神室は不安定な体勢のまま床に手をつき、桧山目掛けて蹴り上げる。桧山の顎に足がめり込む。よろけ、後退する桧山。神室の追撃、腹に一発、さらに遠心力をつけてこめかみに渾身の一撃。
桧山の手から刃が落ちた。



静かになった。

こめかみに一撃をくらった桧山は、脳震盪を起こし気絶している。
神室はその場で桧山を拘束する。

「城内の者には待避を指示してあります。しかしどうやってここを破壊するのですか?」
「ここの上流に何があるかご存知ですか?」
「…いえ。」

神室は桧山を担ぎ上げると部屋を移動する。
土井はそれに続く。
神室と土井は外へ出ると、頑丈に施錠された井戸のような装置を前にする。

「ここはかつて、川でした。しかし今は水が流れていない。そして上流には湖があります。…いえ、正確には竹森が作った巨大な溜め池です。山から流れていた川を人工的に塞き止めています。そしてこのカラクリを作動させると、上流へ繋がって行きその溜め池は決壊します。」
「な、なんですって!?それじゃあ…!?」
「はい、この谷は水に沈みます。」

神室は淡々と説明をする。
土井はそれを聞いて愕然した。もしそれが作動すると、この城どころか命も危うい。

「なぜそんなものを…?」
「それは生き残ることができたらお教えしましょう。そういえば、お名前をお伺いしていませんでした。」
「私は忍術学園の教師、土井半助です。」
「土井殿、ご助力願えますか?私一人では、桧山を担いで谷を上がるのは困難ですので。」
「ええ、わかりました。」

神室は装置の施錠を無理矢理壊す。

「では、行きます。ご幸運を。」




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