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【忍たま乱太郎】かぐや姫

第8章 作戦開始


彼女の言葉は信じがたいことに、利吉の意見と同じだった。
土井は考えた後、椿の目を見て静かに言った。

「…わかった。色々聞きたいことはあるけど、君は今留三郎たちと外に出なさい。留三郎、きり丸、しんべぇ、椿さんを頼んだよ。」
「はい!」

土井は椿の体を留三郎に預けると、部屋の外へ消えて行った。

留三郎は椿を支えるために背中に手を回したが妙な感触を覚え、己の手のひらを見た。
血の気が引いて目眩がしてくる。手は震え、言葉が出てこない。

「食満先輩?」

きり丸が急かす。
留三郎は信じられないものを見るように椿をみる。

「お前!……まさか!?……」
「………大丈夫、死にはしないから。」
「バカ野郎!!大丈夫じゃないだろ!!………くそっ!!」

伊作が渡してくれた包帯を握りしめる。これではとても足りない。一刻も早く、伊作の元に連れて行かなくてはならない。
きり丸、しんべぇに事実を告げるには、二人はまだ経験もなく幼い。留三郎の様子にきり丸、しんべぇは動揺を見せる。
留三郎は自らの上衣を脱ぐと椿に羽織らせてやる。
そして彼女を背負うと、後輩二人を連れて脱出した。



同じ頃、土井もその手のひらを見つめ、ぐっと握りしめていた。
やはりこの城は忍術学園に向けて造られもの、しかも彼女の父親が…
見過ごすわけにはいかない、土井は出城ならばあるはずの火薬を探す。

僅かに火薬の匂いがする。
たどり着いた部屋に人影を見つけ、さっと身を隠す。
敵か?だか様子がおかしい。

「……誰かいるのか?」

気付かれた。土井はその場を離れようとする。しかし━━

「待て、忍術学園の者か?頼みがある、姿を見せて欲しい。」
「!」

頼み?この出城の者ではないのか?
その人影はどうやら囚われていて身動きが出来ない様子だった。
土井は姿を見せるとその訳を聞いた。

「頼む!あの方を…私を椿様の元へ連れて行ってくれませんか!?信用できなければ、私を拘束した状態でも構わない。私は椿様に仕える神室と申す者です。」
「椿さんは無事だ。だか今は彼女に会わせることはできない。私は彼女より、この城の破壊を頼まれている。」
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