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【忍たま乱太郎】かぐや姫

第8章 作戦開始


日が昇る。
森の中に光の筋が幾重にも重なり、幻想的な空間を生み出す。その光は強く、木々を消して世界を白く映し出す。

忍術学園救出組の面々は、迫り来るその時に備え己を奮い立たせる。


今回の作戦では、主に陽動班、狙撃班、奇襲班、救出班に分かれ敵地に向かう。保健委員は救護班となり本陣で待機。
椿を救出した後は速やかに待避、全員で忍術学園に帰還する。

「山田先生!僕の名前がありません!」

しんべぇが真剣な表情で手を挙げる。

「あー、……しんべぇは狙撃班に━━━」
「それはダメです、山田先生。」
「私たち一年は組が物を投げると、」

「味方に当たります!!」

乱太郎、きり丸、しんべぇの声が見事に重なる。
呆れ返るその他大勢。
山田はそうだったと頭を抱え、土井がため息をつきながら言う。

「仕方ありません。私が連れて行きましょう。」

仕切り直しとばかりに咳払いをする山田。
そして全員の顔を見渡す。皆いい目をしている。

「これは授業ではない、本物の救出作戦である。敵対するのはプロの忍及び兵士だ。危険と判断した時には逃げる勇気を持て。では半刻の後、開始する。」



「留三郎。」

声をかけたのは伊作だった。手には包帯が握られている。

「これを。万が一椿ちゃんが怪我を負っていたら使って。僕はここで待ってるから。」

それが杞憂に終わればいいけどと、救出班の留三郎に包帯を渡す。留三郎もそれを使わないように願いながら、伊作から受け取った。
伊作の心配は痛い程に伝わってくる。

「心配すんな。すぐお前のところに連れてくるからよ。」

留三郎は笑って見せる。伊作の不安を取り除くように。



「兵助、後ろは任せたよ。」

五年生は三人、兵助は狙撃班、雷蔵と三郎は陽動班になった。

「ああ、お前たちも気を付けろ。」
「それは?」

雷蔵が兵助の後ろにあるものを指差す。

「お楽しみさ。」


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