第7章 狙われたのは
忍術学園の秘密?何を言っている?
………そうか、父の狙いがわかった。ならば、私にできることは忍術学園を守ること。
この男に良い思いはさせない。
「……わかった、話す。その前に教えて、神室はどうしたの?」
桧山は幼子に褒美をとらすかのような笑みを見せた。
「神室サンね、彼はあなたへの忠誠心がとても強いみたいなので、少々眠ってもらいましたよ。どうやら、隆光サマからの命令を受けていたようで、私にとっては邪魔なのでね。本当はあなたに来て頂いたのは予定外だったのですよ。神室サンは本当余計なことをしてくれましたよね。いっそのこと、消してしまいましょうか。」
隆光が、神室に……まだ希望はある。
桧山のお喋りのお陰で、大分今の状況が理解できた。
どうにかして神室に会わなければ、それには目の前のこの男をどう欺くかである。簡単なことではない。
「……さぁ、もういいでしょ。さっさとお話ししてください。でないと、痛い目を見ますよ?」
顎を取られ間近に桧山の顔が迫る。気持ちが悪い。
今すぐこの男を殴ってやりたい。
精一杯の抵抗、私は笑いながら言う。
「忍術学園の秘密などない。あったとしても、誰がお前なんかに喋るものか。」
その瞬間、右頬に弾けるような痛み。殴られたと理解したのは、体が横に吹き飛んだ後だった。
桧山は冷たい目で椿を見下ろす。
「……さすが、良い度胸ですね。まぁ、時間はたっぷりありますからせいぜい頑張ってくださいね、お姫サマ。」
桧山は別の男数人を呼びつけ、何かを指示すると姿を消した。
男たちの冷たい目に体がぞくりと強張る。
だけど私は負けない。決して。