第4章 一年は組学級会議
「あいつ…やりやがった。」
「モソ…宣戦布告。」
「だが、今のではっきりしたな。」
「お前たちが相手でも、私は負けないぞ。」
六年生も見事に復活をはたした。
「なんだかわからないけど、みんな元気になったみたい。」
「さすが山田先生!」
一年は組から尊敬の眼差しを浴び、隣の土井の不思議そうな視線を浴び、山田は盛大に咳払いをすると御膳を片付けその場をあとにした。
いや、逃げた。
「あとは知らん!勝手にやってろ!」
椿に連れ出された三郎は、日が落ちた暗がりの中でやや緊張していた。だが顔に出すことはない。
椿は不安げな表情を見せていた。
「三郎君、あの…私を狙っている人って…知ってるの?」
「ああ、さっきはっきりした。だけど大丈夫。俺が椿さんを守るよ。」
「!ダメだよ!三郎君を危険な目に合わせられない!」
「椿さん、男はやらなきゃいけない時がある。大丈夫、心配しないで。」
三郎は照れ隠しに椿の頭を強めに撫でると、食堂へ帰って行った。
「三郎君…」
二人はこの会話が大きなすれ違いを起こしていたことに、今はまだ気付けずにいた。