第1章 中学
黄瀬くんの教育係にはテツヤもとい黒子テツヤがついたらしい
赤司くんがそう言ってたし、
黄瀬君は、なんであの人が教育係なんスか、なんて気に入らないご様子で
「はあ・・・」
テツヤの凄さは練習だったらわかんないからなあ・・・
それと同時に彼の努力も知らないんだろうし・・・
3軍だったころ、毎日遅くまで残って練習してる姿をあたしは何度も見かけてる
体育館に人が残ってないことを確認して、鍵を占めるのもマネージャーの役目だったりするのだ
一人で黙々と練習してる姿を見て、彼のそれが終わるまで一緒に残ってることも多かった
さつきはさつきで大輝たちが練習してる方の体育館にいるから
二人遅くまで同じ体育館で残っていて、仲良くなるのに時間はかからなかった
まあ、あたしは目を閉じてドリブルの音を聞いていただけなんだけど
だから、テツヤが一軍に昇格できたときは自分のことのように嬉しかったし
逆に黄瀬くんが認めてないことに腹が立つのだ
「星宮さん?」
「わあ!!」
いつの間にかとなりにテツヤ
「何か考えてるみたいですけど・・・どうしました?」
「んー、黄瀬くんがテツヤのすごさわかってないからさ・・・」
そう言うとテツヤは微笑んだ
「大丈夫ですよ」
「へ?」
「いつかわかってくれます」
というか、わからせますと言って笑うテツヤ
おお、かっこいいじゃんって返すと惚れますか?なんて
冗談だってわかってるから『もうとっくに惚れてるよー』って返そうとしたとき
後ろに人の気配を感じて振り向いた
「星宮っち、何の話してんすか?」