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【黒バス】in your hand【黄瀬】

第1章 中学


「お、ちゃんと練習してんじゃん」
2軍のメンバーの中に黄瀬くんを見つけて微笑む
「それにしても初心者にしてはいい動きしてるなー」
「だよねー」
ひょいっと横からさつきが現れる
「わあ、いつの間に?」
「りんさー、黄瀬くんのこと結構見てるよね」
「う、まあ、そうかもしれないけど……」
「やっぱり気になるのー?」
目を輝かせているさつきの頭を軽くたたく
「違う!」
そう言いながら、もう一度黄瀬くんを見てみるとやっぱり上手で、真剣にやっていた
「あの時のこと謝らないとな……」

『無理だと思う』
『モデルとかと両立できるほど甘くないよ』
偏見だったかもしれない

「りんー、おーい」
やっぱり気になってんじゃんかー、というさつきの苦笑は聞こえなかった

練習が終わって、更衣室で着替えて外へ出る
「あ」
「りんっち」
「……なんでいるの、黄瀬くん」
なんて聞けば、偶然っすよーなんてはぐらかす、嘘っぽい。まあ、いいや

「そういえばさ、黄瀬くん」
「なんスか?」
流れでそのまま帰ることになってしまった
「バスケ部に入りたいって言ってた時にさ」
「?」
「ひどいこと言っちゃってごめんね」
黄瀬君はなんのことかわからないといったような顔をする

あの時の言葉を繰り返すと、あっという顔をした

「あんなのもう全然気にしてないっすよ!!」
あっけらかんと言う黄瀬くん
「オレ、打たれ強いっスから」
そう言って笑うから、一緒に笑ってしまった
心が軽くなった、自分でもどこか気にしてたんだろう
「そんなこと気にしてたんスね」
ふーんと呟く黄瀬くん
「何、その言い方」
「いや、星宮っち、練習中オレのこと見てたから」
「え」
バレてたのか、いや別にバレててもいいけど、いいよね?好きとかじゃないんだし
「てっきりオレのこと好きになっちゃったのかなーって思ってたんスけど」
「それは大いに勘違いだよ!!」
「えー、そんなはっきり言わなくても」
黄瀬くん、すごいナルシストだ
「あ、ごめんね」
「まあ、星宮っちが優しい子だってことはわかったっすよ」
「え?」
「あんな一言気にするなんて、優しいっすよ」
あ、どうしよう
その言葉は本心だろうか
ときめくんですけど……

「あ、ありがと……」
「かわいー」
黄瀬君が呟いた声はりんには聞こえなかった
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