第1章 中学
男子バスケ部のマネージャーやって1年が経った
やってみると先輩方もいい人ばっかりで、
さつきは可愛いし、
みんな面白くて楽しいし
入ってよかったなーなんて思うのです
「りんー」
「どしたの?さつき」
「ドリンク作るための粉がないよー、先生に聞いてもまだ届かないって言われたし」
「え、まじ・・・?」
「ちょっと、買ってきてくれない?」
「あたしが?」
「ちょっと別件で手が離せないの」
ごめんね、というさつきが本当に必死で大変そうだったので引き受けると
「あ、ついでに洗剤もなくなりそうだからー」
おねがいね、なんて言われてしまった
「はいはい」
「ありがと、りん!」
買い出しか・・・
制服に着替えないと・・・
赤司君にそう告げて体育館をでる
「わ」
体育館の扉を出て少し行くとモデルで有名なあの黄瀬君が立ってて
「あの、・・・何してるの?」
「あ、いや、えっと」
「怪しいんだけど・・・」
「い、いや違うっスよ」
「?」
「ちょっと、興味あって、バスケ部入ってみたいなーなんて・・・」
え、あの黄瀬君が
「無理でしょ」
「え!?」
きつく言い過ぎたかな
泣きそうな顔してる
でも、本当に思ったんだもん
「モデルとかと両立できるほど甘くないよ」
みんな真剣だもん
そんな簡単な気持ちでやって欲しくはない
「いや、本気っすよ、オレは!!」
「えー・・・」
「お願いっす」
「まあ、とりあえずそういうことは部長に言って」
そう言ってもう一回黄瀬君を連れて体育館の中へ戻る
ちょっとだけざわついた気もしたけど、気にしない
「赤司くーん」
「なんだい」
「入部希望者ー」
そう言って、黄瀬君を赤司君に渡す
赤司くんの雰囲気に飲まれるじゃないかなーと思ってたけど
ちゃんと話せてるようで
それを確認してあたしはもう一度更衣室へと向かうのだった