第1章 1章
「ゴースト、本」
ゴースト「あぁ、天文学と鉱物についてだね、そこに置いてるよ」
「すまん、助かる」
ゴースト「ねぇ、その喋り方…やめたら?今はみんないないし…」
「じゃあそうしよう、ここで読んでもいいかな?」
ゴースト「もちろん、私の中の子もいいって」
「ありがとう、中の君」
俺は黙々と本を読み進める
ゴースト「ねぇ、レッド」
「なに」
ゴースト「レッドは私とずっと一緒にいてくれる?」
「当たり前でしょ、最後まで一緒、砕けるまでね」
ゴースト「そっか、ねぇ、レッドはこの辺りでどこが好き?」
「……緒の浜かな」
ゴースト「なんで?」
「静かだし、あまりみんな来ないから、すごく落ち着く」
ゴースト「そっか」
「どうしたんだよ、急に」
ゴースト「何でもない」
「……そう」
ゴースト「あのさ」
「なに?」
ゴースト「もしも、もしも僕が先に砕けたら、中の子をお願い」
「ラピスと似たことを言うな、ザンネンだがお断りだ、お前が砕けるなんてのは考えたくもないからね」
ゴースト「……そっか」
「じゃあ、見回りも終わったし清掃に入るよ」
ゴースト「おやすみ、レッド」
レッド「おやすみ、ゴースト、それに、君も」