第1章 1章
「金剛、報告」
先生「先生と呼びなさい、レッド」
「断る、緒の浜にて月人を霧散した」
先生「レッド…!月人が現れた時には報告をしろ!…この間モルガとゴーシェにもそう…」
「知らない、俺には関係ない、以上」
俺は先生にくるりと背を向け歩き出す
イエロー「レッド」
「なんだ、イエロー」
イエロー「ダメじゃないか、先生にそんな態度を取っちゃ、嫌われちゃうぞ?」
「構わない」
イエロー「構わないって顔じゃないぞー?」
「ほざけ」
イエロー「お兄様には分かるの」
「何がオニイサマだ、生憎だが、俺に兄弟はいない」
俺は身を翻して図書館へ向かう
すると
フォス「レッドー!」
「……」
フォス「無視しないでよ!」
「なんだ、軟弱」
フォス「…シンシャってどんな奴なの?」
「は?」
フォス「いや、ちょっと気になって」
「……シンシャ、硬度2、体から銀色の毒を出し、それに汚染された場合我々は体を削らなければならない」
フォス「そういうのじゃなくってさぁ!!!」
「叫ぶな、叩き割るぞ」
俺は図書室に向かいながらため息を吐く
またやってしまった、と
フォスフォフィライトとのことをフォスと呼べなかったし金剛先生に報告することもできなかった、それに
「イエロー……兄様…」
そう呼ぶこともできなかった
俺はどうもイエローのことを兄様と呼べないしダイヤやボルツのことも弟と呼べていない
なんて情けない