第98章 天泣(てんきゅう)
喜んだらいいのか悲しんだらいいのか怒ればいいのか
なにがなんだかわからない…
それが……恵土の感じた想いだった
が…
菊地原『7歳の時のことでしょ?
別に気にしなくていいよ
恵土先輩が考えなくても他の人が考え付いてた可能性だってあるんだし』
その弁にみんながみんな頷いており、誰も恵土を責めず咎めなかった
それに恵土は涙を流しながら感謝した
村上にも…
レイガストと弧月を用いた立ち回りを実践したり
実戦経験を積ませたり色々としていた
恵土『動かなきゃ何も変わんないんだ
十分すげえよ^^
自信持て!な!』ぽんっ←肩を叩く
村上『…はい^^』くす
太一への助言もその流れで行っていた
みんなを褒め殺ししていた
来馬は視野が広い、みんなのこともよく見れてる
村上は頑張り屋さんだな、きっと伸びるぞ
太一は盛り上げ役かな、明るくなる
今は気配り上手、並列処理凄く早い
その為…恵土の危機と聞いて、自然と参加していたそう
来馬隊は防衛任務があったが、来馬からの後押しもあり抜けてきた
記憶が無くなる
それは復元できる
だが…
記憶が亡くなる
それは…もう二度と思い出せないということに他ならない
指摘されても定着しない
再生しても思い出せない
大きな違いは…
認識出来ない、という側面にある
だから……
もうほとんど何も思い出せない
だが…大好きだという想いは残り、増してゆく一方なので…
その件も併せて伝えられていた
で…那須も、知った人達はほぼみんな泣いていた
誰にも言わずに耐えていたのか
愚痴も零さずに投げ出しもせずに…
そんな想いに駆られていた
幸せだった想い出は溶けて風化して消えてゆき
大事にされなかった思い出ばかりが蘇り傷を残し
全身をミキサーに掛けられながらの激痛の中でのそれに…
15秒だけとは言え体験したそれに…
震えが止まらず、嘔吐する人もいた
惨(むご)過ぎる——
胸中にひしめいたのは…その想いだけだった
誰にも言わずにいた
それが明かされたのは…人の口からであり、死の間際ぐらいに近付いてからだった……
知ってる人達で挙手したのは…
三輪、太刀川、風間隊、木虎、緑川、小南、栞、レイジ、烏丸、遊真、等々の面々だった
影浦は当時、化身化による記憶共有を有していないので…その時を境に思い出したそう
