第98章 天泣(てんきゅう)
歪みを正す為に——歪み化から全てを守る為に
全てを費やした…はずだった
しかし…その代償は、遥かに大きかった
満面の笑みでケイトがはしゃぐように前を歩く、手を差し伸べる光景が浮かぶ
右目の乱視は眼鏡でどうにかなる
左目の乱視は眼鏡でもここまでしか良くならない
ハードコンタクトしか仕様が無い
神の力起源で起きた事象故か…
手術しても、必ずまた元の同じ状態へ戻る
医師「こんなことは言いたくはないですけれど……失明すれば…もう二度と、矯正の余地は無いと思って下さい」
その日は…5月4日の昼下がりのこと
全ての記憶を失ったのは…
それから程なくしてのことだった
目覚めるまでに数日の時を要し…5月7日に判明したことだった