第97章 神無(しんむ)
そして…月日は流れ、癌はもうすぐで一億人にまで増えていたのです
この世はまだまだ余裕いっぱいで、破れる気配もありません
創世神様はほっと胸を撫で下ろしました
みんなはすっかり信頼し切っていて、目もくれません
(この世の様子、胸を撫で下ろす創世神様の後ろで各々楽しいことをしている)
この間に、癌が治った方はひとりもいませんでした
癌は、創世神様の神の力を持ってしても治せません
癌でなくなっても、また魂が自ら癌になるのです
創世神様に出来るのは信じることだけでした
しかし…
一億人目の癌が産まれた時、大変なことが起こったのです
いつものようにこの世へ送るとさあ大変!
この世という世界の膜が破れ、側にある世界から膜を破り、魂の膜を破っていったのです!
(癌の生態と対処、この世の膜とみんなの魂が力を貫通し膜を破られる)
創世神様は、闇が拡がる中で
一瞬にも満たない時間の間に考えました
時を戻す
世界を戻す
魂を治す
どれもこれもそんな時間はありません
魂を産むことを考え付きました
ずっとやってきていたので一瞬で出来るからです
(必死に考える、一番強く光る魂を生み出す)
その子は…自分と同じ存在でした
癌に決して染まらず、決してならない存在だったのです
『この子さえ生きていれば終わりじゃない!』
みんなも世界も自分も消えてゆく中で
必死に創世神様は力の全てを送り込み、守りました
(光が光へ覆い被さり白一面となる)
ようやっと闇が尽き、消える動きは無くなりました
創世神様は崩れ落ちて、散り散りになって消えてゆきます
その中で創世神様の子は目覚めました
創世神様の子が傍らを見ると…
創世神様は亡骸となる寸前でした
創世神様の子は創世神様を抱き、泣き崩れました
産まれたばかりで記憶も無いのだから当然です
(闇が消え最初の背景色になる、光が今にも消えそうな小さな光を滂沱の涙を流して抱く)
そんな時、ひとりの笑い声が聞こえました
一億人目の癌です
「あっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!^^」
さも楽しそうに、満面の笑みで笑って…闇に溶けて消えていきました
満足そうなやり切った顔に創世神様の子は一瞬驚きから目を見開き、次の瞬間には憎悪で溢れました
(一億人目の闇が満面の笑みで消える、凄まじい顔で消えた先を憤怒の形相で睨視する)
