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Unlimited【ダンまち】

第97章 神無(しんむ)





ケイト「その男は

左腕が無く
両目も潰され
足も自由が利かない様子でした


「どうした!?大丈夫か!!?」
よさくはたまらず鍬を放り出し駆け寄ると

「み………
みず…を…」

絶え絶えの声に、すぐ動きました

「わかった!水だな!」

そう声を掛け
水瓶から水を椀で汲み、支えながら飲ませ

家に運び入れて手当てしました
衣服もボロボロでキレをまとったような状態でした


彼の名は
よさく

木こりでしたが
日照り続きで水も無い為
口減らしに遭って山に行き
野武士になろうとしましたが
そこでも口減らしに遭い
口封じも兼ねて痛め付けられたそうです


「どうする?」

食糧は底をつく寸前
追い出すのが普通と思われましたが…


「私が面倒見るよ
あんたは食糧探してきな」

「悪いなあ」

「私も見るー!」挙手&飛び上がる

妻と子の後押しもあり
面倒を見ることになりました


その翌日の夜
遅くのことです

どこからか声がしました


よさくのうめき声だと、よへいは最初思いました
しかし、違和感を感じました

その声は紛れもなく、女性の声だったのです


戸の外にまで近付く呼び掛ける声

布団をまくり上げ
耳を澄ましてみると…こう聞こえました


「どこだあああ
どこにいるうううう」

なにかを探すような声
なにかを引きずるような音


ずる、ずるっ

そんな音が戸に近付くのを感じ
よへいは声を荒げて叫びました


「誰だ!!?
なんの用だ!!?」

飛び起きて走り寄り
戸越しに叫んでも、何も反応は返ってこない


「?」

怪しく思ったよへいは戸に手を掛け
開けました

するとそこには


青白い光がふよふよと浮いていたのです

「ぎゃあああああああああああああああ!!!」
そう叫ぶや否やすぐさま布団へ飛び込みました

「人!!人魂!!
火!!火の玉だああああああ!!
「なんだい男がみっともない
「でも火が!!火!!」
必死に戸を指さすよさくに、叩き起こされたときこは眠そうに目を擦りました

「え?
「外!火の玉が!!」
よさくは布団を頭を被さったまま、体ごと声まで震わせながら
ただならぬ様子で叫び続けていました

それにときこは顔を顰め、眠そうに戸の外を見ると
何もありませんでした」

『ほお…』

すっかり皆が皆聞き入り
侍従達も皆耳を傾けていた


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