第97章 神無(しんむ)
ケイト「突如吹き出す生暖かい風
木々のざわつく葉音の中、よへいは叫んだ
「あ…
え?
よさく、おまえは?
どこだ!?
どこいんだ!!?」
娘を背負ったまま
頭を後ろへ、左へ、右へ…
上を見てもどこを見ても
よさくの姿はなかった
『面倒見てくれてあんがとなあ
こりゃ礼だあ
夜な夜な訪れてたんは、俺の妻だ
どーーにも
不作が長引きそうなんでよお
みでらんなぐって…さあ
お前の爺さん婆さんの頃からの付き合いだああ』
そう言うと…
光が空を飛んで消えていった
家に、青白い光が中に入ってきて
実と水を残したのだと…ときこは教えてくれました
それにより…三人は無事、秋と冬を越せました
『親切な子で…変わらずにいでぐれて
うれしがったべえ
あんがとなあ』
そう…声を残していたそうです
おしまい」
はあっ
思わず吐息を漏らした
直後、皆で拍手をしていた
いい話だった
そんな感想の中…
あれ?怪談は?となったが…続き(オチ)があった
リュー「心配して来てくれたんですね」
ケイト「こっくり)
ついでに言うと…
親切な人で無ければ…
子は返さず、実も水も与えなかった
って話だ」
ぞっ!!!!
皆が総毛立つ中、不意に言葉が自然と出た
『恐い…』真っ青
ケイト「単なる昔話みたいになっちまったけど
そこだけ見たら怪談だな!^^」
『恐いって…』さああああっ!
さすさす←肩をさする
からからと快活に笑うケイトとは対照的に
真っ青に青ざめる僕達であった…
ケイト「よへい達は、裕福と困窮の中間程度の農家だった
だから狙われずに済んだし、一向一揆を起こさなければいけないほど逼迫もしてなかった
だから…その当時の話を聞けたんだ」
『へえー』
エル「疑う訳じゃ無いけれど…
どうやって食糧を?」挙手
ケイト「ああ、金銭が無いから
雑草やら白湯やらなんやらで乗り越えてたんだろ
山芋だとか里芋とか探せばあるからな
あわやひえが主食だし、当時は
最悪山を探せばある
野武士に関しちゃ見つからないよう身を潜める術ぐらいは身に付いてる
と言うか身に付けてない奴は生きてねえ」
『なるほど』
ケイト「で…実際に映像でも映し出せた方が早かったんだが…どうだった?
怪談としては
もう少し怖い話の方が
『怖いより面白かった!』満足気微笑
