第94章 創傷(そうしょう)
本当は…分かっていたんだろう
薄々…勘付いてもいただろう
それでも…認めたくなかった
(光に抵抗する半グロ化した全てに、歯噛みし、尚も左手に集約させた力(戻った命と自我と記憶)を、化身化し持ちうる全ての力を送り込み続ける)
好きだというだけで…
一時助けたというだけで
罪になるだなんてことは――
(光の全てが霧散し、軽くいなされて全て無力化され…意に介さずに罪を罪と受け入れず気付かず繰り返し続け笑う半グロ達を、瞠目し硬直したまま見守っていた)
ケイト(うわあああああああああああああああああああああああああああああ)声無き叫び
その場に膝を付き、両手を地に付け、双眸からぼろぼろと涙を流すケイトに
当時は何事かと問い掛けた
笑って誤魔化されたが…光の奔流が全てを包み込んだことは、今でもはっきりと覚えている……
そして――物語を書き出し、自然な流れで…光が、創世神化が敢行されることとなった
しかし……それでもなお…半グロは、自らの過ちを認めず、罪を罪と受け入れず、気付かず自覚も無く繰り返し続けた―半グロに近しい人達も全て…「罪という化身」そのものだから
その結果……半グロ達は皆、「原初の始祖神殺害未遂」という明確な罪を犯す(宿す)ことへ至った
僕達は確かに、主犯格の癌へ手を貸した
主犯格の癌達を助けた経験もある
しかし…それ(ケイトからの指摘)を受け、その実態を知らされてから
『自分達でも調べ、主犯格の癌達に都合良く利用されていただけだと理解し、あれを善と認識すること自体が過ち(罪)であると認識を正しく改め、自ら距離を置き離れること』が出来た
それが…癌でも、加担する隠れ癌でも無く、癌一同の犯罪行為への援助(共犯)を行う半グロでも無い『証』
己が身を削り、庇って闇化を自らに集わせて吸収して無力化させ、死に瀕し掛ける中でも…尚もやめずにいた
ダイ「こうする事が…!!
こうして自分の大好きなものを庇って生命を懸ける事が…!!!
ずっと受け継がれてきた…俺の使命なんだよ!!!」涙
どこまでいっても同じ…在り方だった
瀕死になってからも…庇い続けて……
その結果…
死に掛けてしまった
今も、継続的に……
その人達が、身投げの対象とならない限りは…決して助からない痛手(致命傷、創傷)を負わされた――