第94章 創傷(そうしょう)
だから…こんなことで申し訳無いなんて思わないで下さいね?^^」ついっ←鼻の頭を人差し指の先でつつく
ケイト「うん…(涙目)
ありがとう^^
愛してる…
世界中の誰よりも//
一番に///」微笑
しのぶ「私もです^^///」
ケイト「^^///」にこ
ぎゅううううう
そう、笑って抱き締め合った
強く――離さないように―――
そのまま…共に、眠りについた
歯磨きもして、きちんと寝る準備も全て終えた後だった
生きてるだけで偉い
そう言い切れるぐらいに、長い時を経て、削りを続けて…
僕達に尽くし続けてくれていた……
この程度になるように、みんなが頑張ってくれたお蔭だ!
と君(ケイト)は言って聞かないけれど…
それは…ケイトも頑張ってくれたからだよ?
と僕(フィンとしのぶ)は言って聞かなかった
たとえどんなに戻して欲しくても、返して欲しくても
戻っては来ない…元には戻らない……
その存在が消滅しない限りは………
だから…完全には戻ることは無い
それはわかっていた
わかり切っていた…
それでも…整合性を保とうと、なんとか頑張った
どれだけ手を尽くしても…
決して戻らない、治らないことを知った
それが対価だから――
その対価として差し出した原因が全て消えない限りは―――
新たな対価を差し出さないと、大事なものを差し出さないと
決して、結果は齎されることは無いのだから…
それ故に…二度と生まれないようにする手続き
身投げを、癌一同を対象にすることで取り戻した
アリアやケイトへ『対価とした命と自我と記憶』を取り戻せたのは一時的な措置であり、後払いという手法に伴うものだった……
アリアは…アイズを、主犯格の癌による癌化から守る為
ケイトは…癌一同を除く全てを、癌一同による癌化から守る為
しかし…今度は訳から違う……
癌は救えなかった
でも半グロは違う
そう信じたケイトが半グロを救済する為
癌一同が齎す癌化を無力化する為に対価としたそれらを
全て、丸ごと全部半グロ化を無力化させ守る為に差し出した
しかし…罪がある限り、脱するのは不可能で
更に浸透性も毒性も癌化の比では無く、軽くいなされて終わった
半グロ化の中でも初期の段階のみ辛うじて助かった程度だった
それに伴い死に掛けたというのが現状だ