第94章 創傷(そうしょう)
落ち着いたのは……
一度眠りについてから
起き出してきた、夜中でのことだった――
10月2日
3:52
ケイト「今生まれ落ちている人間は皆…
原初の神々界に近しい人々と
癌一同と半グロに近しい人々とで二分されている
現人口は10垓人で…
976垓人が身投げした
その内
原初の神々界に近しい人数は…
千人いくかいかないかぐらい
癌一同は主流煙
半グロは副流煙
どちらも依存性のある危険な存在だ
つまり……
千人を除いた全てが…」
フィン「危険因子?」
ケイト「人によるがな?
そりゃ近しいってだけで一概に言えないだろ?
それを判断する為のこの世なんだって」きっぱり
フィン「この世って…(確か創世神の親が作った、癌を更生させる為の世界」
ケイト「水槽なんだと
闇の液体、墨汁をばら撒くのが
癌一同
闇の煙をばら撒くのが
半グロ
半グロと癌一同は切っても切れない仲で
どうしても切り離すことが出来なかったから
そうなったんだと――
半グロの人数が多過ぎてね…
アイツラは皆…癌一同を悪い存在とは思えない、認識すら出来ない
そう創られた…
癌一同の手によって…
癌一同の傀儡を増やす為の存在へと変異させられてしまった
一兆五千億年前の…滅びによって――
だから…平然と手を貸す
アイツラに尽くそうとしてしまう
特に…主犯格の癌には……
だから…どうあっても切り離せない
「自ら自身の魂の膜を破り死んでしまう」自ら(癌)を慈しみ
温情を向けて
存在出来
なおかつ『「そういう状態」から抜け出せる』よう整え
『それ』専用の世界まで創った
それが『この世』だ…
癌化させる墨汁の闇も、半グロ化させる闇の煙をも、隔絶し、切り離して守ってくれる
それを…
殺すという行為で返し
ゲラゲラ笑い
自らを悪と認識することすら無く
人にもさせないように立ち回る
……そんな存在に染まらないように
もしくは染まってもすぐ抜け出せるように
耐性(免疫)を付けさせる為に
再びこの世を創り、言及することも無く、ただ…在るようにした
自らの在りたいように――
見定める為に…
その人が……
本当に消すべき存在かを――」
真剣な表情で、顔で、面持ちで…
知りもしなかった情報達を口々に語った
皆が皆、息を呑んで、固唾を呑んで見守っていた
世界の真意を――
