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Unlimited【ダンまち】

第94章 創傷(そうしょう)





理詰めでガンガン来られて涙目になるそれに
追い打ちをかけた


ケイト「………………はいっ」
絞り出すようにして、ようやっと頷いた

しのぶ「はい!
じゃあ早速言ってみましょう!!^^←手を合わせ微笑み掛ける
ケイト「げええええええええ;」←苦手

苦虫を噛み潰したような顔で反応されたけれど
意に介さずに続けた


もうこればっかりは根本的な問題だから…

些細な願望から何から何まで言わない
だからただでさえ潰されそうな心が消え掛けた

なら…全部やりたいことを吐き出させればいい


その結果
ケイト「………………抱っこ」

ぎゅうっ
しのぶ「他には?」

ケイト「う〜ん…今の所浮かんでこない

…キス!!」
ちゅっ

既に予測していたので即行でした


もう何度でも問い掛けよう
自然と言い出すぐらい


ケイト「嫌いなら消せばいいって話かもしれないけれど
そういうの嫌いなんだよ

……私にとっては嫌いでも
その人を好きな人だっている
それを…個人の勝手で、消されたら…痛いだろ?
されたくなんかはないし、辛いし…苦しい

そういう想いをさせることの方が痛いし辛いんだ
実在化することで、嫌いな人のせいでより一層痛いし辛いって想いよりも……

……だから…
尚更、そんな思いも…
それでもしなきゃ、なんてことも…させたくないんだよ

どれだけ痛いかは…痛いほど知ってる
から」


しのぶ「なるほど
そこが肝心なんですね」

ふむふむ
と頷いていた


そんなことを言う人、初めて…

そんな想いに駆られていた
思いも寄らぬ、言葉の数々を受けて――

とても嬉しく、こそばゆい…心地よい感覚に包まれて―――


嬉しくって頬を赤らめ、笑みを浮かべていた


誰かが辛い思いやいやな思いをするのが嫌

しのぶがそんな思いをする側になるのが嫌


その想いに、心底嬉しいと伝えた


相手にも都合があるのだからと
諦め癖が付いているので

きっぱり
言えと一言伝えればいい

最早苦手となってしまったそれを
本音を吐き出せるようになるまで
やりたい、したい、を自然と言い出せるようになるまで

出来るように


確か幼少期の頃…
一緒に遊んでの我が儘に
誰も答えてくれる人がいなかった
それが決定付けてしまった

我が儘を言わず我慢ばかりする人格を形成するきっかけを与えてしまった


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