第94章 創傷（そうしょう）

ケイト（ボコボコ）「貪り食うだけの浪費者に等！
貴様等に等！わかりはせんわ！！！！

己のしたことの業（ごう）等！毛程も痛まぬ大罪人共が！！！」

再び泡が身を覆い発した


ケイト「ねむ…たい……

だめだ…
なんも…わから、ない

……ごめん


いきてて、……ごめん


わかって…あげられなくて……

そんな…
わたし…なんかが…
いきてて……

ごめんな……」

再び意識を手放した


きらわれてとうぜんなのにな…

そんな想いまで伝わってきていた
まあそうでもなきゃこんな役割できんよな、とも


ケイト（ボコボコ）「生きていても
死んでいても
解放されない

削りからも…
浪費される側であること（立場）も…

決してわかりはしない


わかって堪るものか！！

その立場がある限り
分かたれている限り！
分かり合え等せんわ！！

永遠にな！！！」


ケイト「どーだっていいってそんなの（じと目、溜息）


どうだっていいから
そう接してきてるんだろ？

ならこっちが、どうだっていいって思えば
丸く済むだろ？

どうせ何もかも忘れちまうんだから
覚えてなんかいられないんだから
どんな扱いしたっていいんだろ？

そういうものなんじゃねえのか？


なんで絶句してるのかわかんねえけど…

別段気にしなくていいよ
どうせ忘れる

今言ったことも、俺が今抱いている想いも…（微笑）

全部無駄でしか無いんだから
気にすることは無いんだよ


どうせそんなもんだろ？^^」後ろ頭で両手を組む


もう心が死に掛けている

もう何も感じないぐらいに
麻痺してしまっている


それを受けての防御反応

それが…ボコボコ
白い泡の膜の正体だった

心…その無数の塞がらぬ傷をカサブタで覆うことで癒やそう、治そうとしての反応だった


心が疲弊すれば
再生も滞る

自らの存在すら著しく困難となる――


そうなれば…全ての実在化まで滞る

それを防ぐ為に
創世神の膜に宿る意志が自ら現出し、支配権を奪った

というのが事の顛末だった


心が傷付かない為にも
疲弊しない為にも…

一番いいのは、保護し、隔離すること


それが故に…二度と動けなくなることだった

全ての自由と時間を対価にした理由は
全ての実在化において障害となるからという極めて端的な、あっさりしたものだった