第94章 創傷(そうしょう)
誰に?
魂?それとも……
考えても答えは出ず…
隊長や龍神に聞いても正体はわからなかった
ヴェールの感覚については、その後で目を開けた際に話してくれたことだった
恐らく…
推測ではあるが……
防衛本能として、闇が出ていて支配権が移ったように
闇が戻って溶け合ったことで、防衛本能としての形が変わり
白い光を全身に纏う化身化では無く、通常状態のまま発する深淵でも無い
新たなる形態が生まれようとしているのかもしれない
と述べられた
後に
ケイトはその形態のことを…
全身が燃えるように熱い
と言っていた
裂け目?
突如
霊体に裂け目のようなものが確認できると言われていた
その形態も、その影響によるものではないかとのこと
それが今朝、発見された
9月26日7:26
あの白いボコボコ等は
昨夜
2025年9月25日22時での出来事
歯磨きをして、寝る準備をしていた時のことで
魂の膜
新たに与えられた方の膜が
霊体を保護する為に、覆われた形になったのだと
かさぶたのようなもの?
らしい
その日の昼12:06にも同じ現象が起き…
フィン(乗っ取られている?)
ケイト「これが…二代目の身体か」
手を何度か握り、見つめた
その直後
手刀で、山を横薙ぎに叩き斬り
それから手を翳して直し
天へ左手を伸ばし雲を曇らせ
雷を手中に収め刀状に留める
ケイト「天つ風(あまつかぜ)よ――
雷(イカヅチ)を起こし、呼び醒ませ
天雷(てんらい)!!」
そのまま塀に向かって飛び、その上に立ち
そのまま竹林へ向けて斬撃を叩き付けて、底無しの地割れを巻き起こした
ケイト「ふ、ふっふ」
にやあ
黒く笑みを走らせる
ケイト「はっはっはっはっはっはっはっはっ」
肩を震わせて低い声で高笑いをする
隊長「誰…!?」
睨視し、刀に手を掛ける
しかし…
ニヤついたままの顔で振り返り
そのまま瞑目し、意識が無くなったかのように、後ろへ倒れ込む
地面へ落ちる前
咄嗟に頭を庇った
だが…目を覚ますことは無く
どうしたものかすぐ脇で考えている中
ケイト「ん…」ぱち
『…………』
ケイトかそうじゃない誰か
巡らせる中
ケイト「???
あれ?なんでこんな端っこ(敷地の)にいるんだ?」
そうきょろきょろと辺りを見渡した