第91章 轉儛(てんぶ)
その頃、学舎では――
先生「己を除く全てが胎内――
己の魂の膜の上に、もう一枚膜があります
それがこの世で言う胎盤です
全て有線となっています
その全てと繋ぐもの、それをへその緒と呼ばれるもので、遍く全てが持っています
その為、この世に生きている間は感じられませんが、死ねば必ず通じ合えるようになります
糸電話のように伝わるんですね、その人の中身も、想いも…全て……
『繋がり』とも言います
そのへその緒を、無しでも大丈夫なように
それが――キタルレスです」
トール「そうなるとどうなるんですか?」挙手
先生「うーん…
コンセントが在るでしょう?
それがなしでも動くようになるとどうなりますか?」
トール「あ!自由に動かせる!」
先生「そう…(微笑)
その通り!(大きく頷く)
みんながみんな、自由に動けるようになります
そしてそれは……全ての自由を奪われている、原初の始祖神、初代様も同じことです
その為に――その形態が生まれた、願いの証ということでしょう
側(そば)の方が浄化も強く、実在化も強く働きます
ですが……
心がそう望まなければ……
そこに想いが無ければ……
通じ合わなければ………
力は虚無となります――
想いとは力であり、根幹であり、根っこなのです
根っこがない力は脆く、傷付きやすく、ほんのちょっとしたことで崩壊します
だから――想い合うことこそが大事な根幹なのです
『大事にし合う心』です――
『人を見る心』
『慈しみ、思い遣り『合う』心』
それを根底に置いて、成長していかねばなりませんね」
子供達『なるほど』大きく頷く
先生「一方的に犠牲を強いるやり方、在り方では、ひずみが生じます
だって…まるでどうでもいいことのように、あしらわれたりしたいですか?嫌でしょう?
知りもしない誰かを犠牲にすること、周りに迷惑を掛けることを、全く忌避せず、平気でやるんです
トール「挙手)はい!!
その上で、自分の非を認めず、恩人や無関係な人達へ罪を着せるから罪人なんだと思います!!」
先生「その通りです」大きく頷く
シン「ん~~~
難しく考え過ぎじゃない?」
『?』
トール「何が言いたいんだよ」
シン「要は元から気を付けてればいい話じゃない?
どうでもいいからやってるんでしょ?
そういう人達は」