第91章 轉儛(てんぶ)
トール「は?」
シン「だって…
犠牲にされる側にいつまでも回らないって思ってるから
いつまで経っても抜け出せないんでしょ?」
トール「う…ん…‥
まあね
そういう側面もある…と思う」
先生「…」にっこり笑って頷く
シン「で…犠牲にされたら怒って攻撃するんでしょ?」
トール「何が言いたいんだよ」
シン「要はあ…自分だけ星人にならなければいい話だゾ」
トール「簡単に…纏め過ぎじゃないか?;」
先生「ほほほほほ^^
一理ありますな」頷
トール「え?」
先生「自分だけ
その主観ばかりに念頭を置いた結果、それ以外を見失います
そうなると、結果的に『人を見る心』を無くしてしまいます
皆、余裕が無い時は誰にでもあります
そういう時に限って、損なわれやすい傾向にあるのです
そうしていく内に…それに慣れていく内に
すっかり自分に非は無いと凝り固まってしまい勝ちになってしまうのですね…
やれ事情があるから、こういう環境だったから…誰かのせいにして、正当化に凝り固まってしまうのです(瞑目&やれやれ嘆息)
トール君」
トール「はい!」
先生「理事長…ケイト先生は、あまりにも熾烈で過酷な家庭環境にありましたが…
それに傾倒し、非人道的な行為を、他者に強いて回りましたか?」
トール「いいえ」
先生「そして――自らの非を、他人に着せたり、環境のせいにしたりして、正当化をしたりしましたか?
人を罪人に仕立ててまで、恩人に被ってもらってまで、正当化をはかりましたか?
自らのみの保身をはかり…その為に全てを犠牲にし、周囲に皺寄せや後始末をさせ、笑いましたか?
何も…悪いこと等、あなた達に一つとしてさえしてもいませんよと…何の申し訳なさも感じることも、一遍も抱くことさえも無く」
トール「いいえ!!そんなこと一切してません!!!!」
先生「その通りです
そここそが『物事の肝(きも)』、『根幹』なのです
それをいくら取っても平気でいられる心…それが…
「人を見ない心」
『人を見る心』とは対極に位置し、「癌の根幹」となる、「全ての「癌化」の源」です
重要視するのはそこだけでいいのです
「自分だけしか見ていない」
そこもまた念頭に置くべき点であることに違いはありません
人を軽んじ己ばかりを見て大事にする
怒るべきポイントはそこだけでいいのです」
