第91章 轉儛(てんぶ)
駆動は一度3人のギアの中を見て
調整済み=部品を換えるだけでいつでも走れる状態にあることを確認した後
それぞれ手に取りやすい状態にして置いておく
駆動が自身のギアを坂道を走りやすい様にカスタマイズ=部品を換える作業を進めていく中
阿久津もまた隣で、『いつものように』駆動が調整を終えた自身のギアの部品を換えていく
その中、声が掛かる
ライド「どんなメンテナンスをするんだ?」
駆動「坂道用にしているんだ」
ライド「へぇ~
具体的には何すんの?」
駆動「軽量化と進みやすくする為にゴムの粘度を上げたり力を挙げて柔軟性を…
君はしないのかい?」小浪から部品を受け取りながら促すように見やる
ライド「え?
俺?」指差す
それに駆動が黙ったまま頷く
ライド「俺は――
坂道でも何でも乗り越えて行くんだ!!
ぎゃりーんってさ!!!」キラーン!!←拳を意気揚々と振り抜く
それに…阿久津に部品を渡していた小浪含め、皆は顔を顰めていた……
部品を換える作業は選手がやるもの、メカニックが居ない時は
僕は選手として出るから、君も経験を積んで欲しい
という意味合い、意図を汲み違えたライド
それに駆動は硬直し、それから力無く笑った
メンテナンス
整備不良で異常が出ないようにする作業
ギアを長持ちさせる為の、必要最低限の調整
調整
整備しやすい様に、ギアに精通したメカニックがする作業
部品を換えるだけでいつでも走れる状態であることを指す
部品を換えた際にギアに不具合や異常が生じる場合がある、それを防ぐ為のメカニックによる最終確認
整備
部品を換えるカスタマイズ作業
調整済みの状態にあることを確認してから行われる
後で知ったライドの反応
↓
ライド「えー!!?;
そんなのあったの!!?;メカニックいなかったから知らなかった!;
小浪「皆それぞれやってるのよ!!;自分で!!」
以下略
なお、
これらの知識、習慣は義務付けられており
ギアファイター内では常識である
駆動「……;←引き攣った笑みで凝視
(そうか…彼のチームにはメカニックは居なかったな←事態を察した
部品も換えたことも無いままここ(世界ランカー)まで来たのか…
でたらめにも程がある…‥心の強さ、か)
あははは^^;君はそれでいいよ;
貸して、整備しておくから←手を差し出す
