第91章 轉儛(てんぶ)
しかもその理由が―――楽し過ぎて忘れていた
という年齢らしい、
子供らしい理由に、さもありなんという顔で項垂れていた
試合コースの内容は当日、それも参加するチームごとで異なる為、
どんなコースでも対応できるよう、下準備が更に要求されることとなる
そのことにおいても言っていたのだが……
まあホテル内にも研究所内にも専門店はある為、補える範囲内とも言える…‥だが、考えることは一緒なのですぐ買わないといけない
駆動「普段のメンテナンス用パックは当然として
登りに強いもの、下りに強いもの、その双方を併せ持ったもの
でこぼこ道に強いもの、平たい道に強いもの、双方に対応出来るもの
他にも様々な環境が予想出来る
凍結した道を進ませるとか、吹雪が吹き荒れるコースだとか
そういった時にタイヤの形状とかエンジンの出力調整でも変えたりしないと、本来のパワーを発揮できずに終わることが多いんだ
それで泣き寝入りをする選手の方が多いぐらいだ
だからこそ下準備は入念に必要だと言っているんだ」
小浪「そう言うと思って全部買ってあるんだけれど…‥」黒いハードツールケースを両手で持ち上げる
ライド「全部!!?」
小浪「メンテナンス用と部品全部
経費で落ちるって言ってたから
顧問の教師から」
駆動「小浪君の方がしっかりしているね
ありがとう、助かったよ」
小浪「いえいえ…^^;(えへへ)
わからないから
ある分だけ全種取り揃えてあるの
一応3個ずつ
皆どれ持ってるかわからなかったから
もし重なっても予備にはなるでしょう?」
駆動「凄いよ
完璧な準備だ」唖然
小浪「えへへ
マネージャー兼サポーター役も兼任しているからね^^
任せて!」微笑し胸を叩く
駆動「上が許可したのも納得だ
明日の試合のコースは
明日の、それも試合直前にならないとわからない
すぐ動けるようにしておこう」
小浪「はい!」敬礼
阿久津は選手としての適性が強く
メカニックとしては門外漢ながらも
メカニックが調整しやすい様に調整する習慣を身に付けていた
駆動「ライド君も身に付けて欲しいな」
ライド「わかった頑張る!
阿久津!教えてくれ」
阿久津「わかった」頷
駆動「小浪さん、君はこのチームの恩人だ
これからも頼むよ」両手を握って振る
小浪「どう致しまして//」笑って返す
